鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

京都SFフェスティバル合宿企画【予告】

十月十二日に開催される京都SFフェスティバルの合宿企画に「SF作家のためのワールドコン案内」を提供しました。

企画案内
ワールドコンに参加して、企画に出てみよう。でもどうやって?
方法は、英語は、マナーは。あなたの心配と不安にお答えします。
英語に翻訳された著書があれば最善、話は早い。しかしながら、著書、特殊技能、知識が英語の本がないことをカバーします。
SF作家でない人も来てね。海外SFに興味がある人には面白いと思います。時間が余ったら怪談をします。
出演者
石亀航 ほか
企画提供者
勝山海百合 
時間/部屋
20:30-21:30/企画部屋3

kaze no tanbun 特別ではない一日【近刊予告】

十月下旬、西崎憲編集の書き下ろし短文集『kaze no tanbun 特別ではない一日』が柏書房から刊行されます。拙稿も掲載されます。

【概要】
この本はあなたの本棚のために特別に作られました──。
西崎憲がプロデュースする短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第一弾。現代最高の文章家17人が「特別ではない一日」をテーマに、小説でもエッセイでも詩でもない「短文」を寄せました。作品同士が響き合い、まるで一篇の長編作品のようにも読めるかつてない本です。

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平成怪奇小説傑作集〈2〉

拙作「軍馬の帰還」が収録された東雅夫編『平成怪奇小説傑作集〈2〉』(創元推理文庫)の見本が出来しました。
発売日は九月二十八日です。
拙作は第四回ビーケーワン怪談大賞に投稿するために初めて書いた「てのひら怪談」(八百字におさまる怪談)でした。
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第四回創元ファンタジイ新人賞・第十回創元SF短編賞贈呈式

九月二日、飯田橋で開催された第四回創元ファンタジイ新人賞・第十回創元SF短編賞贈呈式(トークショー付き)に行ってきた。第四回創元ファンタジイ新人賞を「沙石の河原に鬼の舞う」で受賞した松葉屋なつみさん、第十回創元SF短編賞を「サンギータ」で受賞したアマサワトキオさん(授賞時はトキオ・アマサワ名義)、おめでとうございます。
松葉屋なつみさんの受賞作は『星砕きの娘』に改題して書籍化、アマサワトキオさんの受賞作は『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』に収録の他、単独で電子書籍化。
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画像は、賞状を手にした松葉屋なつみ、アマサワトキオの両氏。
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マーティンズとハーリング(決勝戦)

ダブリンで開催されたワールドコン、メイン会場のコンベンションセンターダブリンの一隅にMartin's というバーがあってビールが飲める。ビール以外のメニューもあり、隅のほうではデニッシュのような軽食も売られている。天井は高く広さはあるが椅子は少ないので、運良く椅子を得た参加者は根っこが生えて動かなくなる。壁際で床に座り込んでいる参加者もいる。円卓に十人くらいがみっしり座っているのは降霊会でもしているのかと思ったら、作家を囲んでビールを飲みながら(ビールでなくてもいいし、お茶でもいい)語りあう企画の一つだった。窓がなく照明も控えめだが、大きなスクリーンがあり、八月十八日はアイルランドで人気の伝統スポーツ、ハーリングHerling の決勝戦の生中継が映し出されていた。そういえば前日も「明日はダブリン市内でハーリング勝戦が行われるため交通渋滞が予想されます、ご注意下さい」とアナウンスがあった。
ハーリング、まったく知らない。サッカー場より広い芝生のコートを、短いオールのようなスティックを持った男たちがボールを追って走っている。じっと観ているとルールがぼんやりとわかってくる感じ、高山羽根子の架空のゲームが出てくる短編を読んでいるときのようだ。アイルランド人参加者のグループが熱心に見ていて、ゴールが決まると、うぉ、と低い声がユニゾンする。決勝戦はキルケニー対ティペラリー Kilkenny vs. Tipperary 。どちらも地名だ。各地区最強のチームが全国大会に出場し、その年のアイルランド最強が決まる――とあとで調べて知った。キルケニーは強豪で何度も優勝している。キルケニービールはパブでよく目にする。
カウンターでビールを飲みながらスクリーンを観ていた。グループを代表して飲み物を買いに来たアイリッシュに、「ハーリングのルールはわからないけど、楽しい」と言うと、嬉しそうに「あそこにゴールを入れると三点で……」などと解説してくれた。

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Martin's Bar. Worldcon Dublin 2019, CCD.
画像は、バーの棚に掛かったマーティンの写真(パンダのぬいぐるみと一緒)と、ハーリングの決勝戦が映っているスクリーン。このバーは故人であるSFファン、マーティンを偲んで命名されている。
スーベニールブックの物故者リストのお終いに彼の名前 Martin Hoare があった。二〇一九年七月二十六日没。

勝敗はまだ決まっていないが夕食を求めて市内に出ると、キルケニーやティペラリーのチームカラーを身に纏った人達でいっぱいだった。

落下世界、おうむの夢と操り人形

ウィル・マッキントッシュ『落下世界』上下巻(茂木健訳、創元SF文庫)と大森望日下三蔵編『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』(創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。年刊傑作選はこれにて最終巻、表題作は藤井太洋の作。
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