鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2016-01-01から1年間の記事一覧

ドント・ブリーズ

フェデ・アルバレス監督の『ドント・ブリーズ』DON'T BREATHE を、現代デトロイトを舞台にした怖い映画くらいの認識で観に行ったら、スーパーナチュラルの要素のあるホラーではなく、スリラーだった。 先年の同じ時期に観た『イット・フォローズ』(デヴィッ…

ミステリーズ! vol.80

『ミステリーズ!』vol.80(東京創元社)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 表紙では、東京創元社のエントランスに立つスーツを着た女性の手に提げた紙袋からくらり(東京創元社のマスコット)のぬいぐるみが顔を覗かせている。 「レイコの部屋」…

ナイトランド・クォータリー vol.07

雑誌『ナイトランド・クォータリー』(アトリエサード)vol.07 の見本が出ました。拙稿「ぜんまい迷」が掲載されております。中国の清の時代を舞台に、科挙受験生が魔に魅入られる話です。 本誌の発売は十一月二十八日頃です。ナイトランド・クォータリーvol…

第二回大阪てのひら怪談募集中

(承前)大府市の図書館での要件が無事に済んだ。同行の荒蝦夷の土方氏は同所で引き続き東日本大震災の被災地の現在の様子などをレクチャーする予定があり、先に帰ってもいいと言うので、お言葉に甘えて一足先に離脱することにした。会場のグループ室にはお…

真葛菊(まくずぎく)

愛知県大府市に行った。おおぶ文化交流の杜図書館で、地元にお住まいで『江戸女流文学の発見 光ある身こそくるしき思ひなれ』『江馬細香 化政期の女流詩人』『わが真葛物語 江戸の女流思索者探訪』など、江戸の女性作家についての著作がある作家の門玲子氏の…

十一月の予定

十一月十三日に大阪府の枚方市立サンプラザ生涯学習市民センター視聴覚室で開催される東雅夫×田辺青蛙対談ライブ「怪を『書く・読む・語る』800字怪談の世界」(ひらかた怪談サークル主催)で、拙作「軍馬の帰還」が朗読されます。 *このイベントは予約が必…

二枚の汝窯青磁盤

来年二月二六日まで東京国立博物館の東洋館で上海博物館の名品を特集で展示中。ところで、東京国立博物館をトーハクと呼ぶように、上海博物館はシャンポーと呼ぶのだそうだ。 この特集で北宋汝窯青磁のよく似た二枚の皿――縁がやや高くなっているので青磁盤と…

クリスマスソング初観測

十一月一日の午前、ヨドバシカメラの店内にワム!の『ラスト・クリスマス』が流れていた。本年のクリスマスソング初観測。 そのときの気持ちを表明させてもらえば、「まだ早い」であった。いつが適当かはわからないが、十一月一日では早過ぎるのは確かだ。 …

第二十六回鮎川哲也賞 第十三回ミステリーズ!新人賞贈呈式

十月二十八日、都内で開催された第二十六回鮎川哲也賞 第十三回ミステリーズ!新人賞贈呈式に出席した。 鮎川哲也賞は『ジェリーフィッシュは凍らない』で授賞された市川憂人氏。おめでとうございます。(今回のミステリーズ!新人賞は授賞作なし) 贈呈式で…

汝窯青瓷無紋水仙盆

画像は台北の國立故宮博物院のミュージアムショップで買った小さな水仙盆。てのひらに乗るサイズのやきもの。 ラベルには「北宋汝窯青瓷無紋水仙盆」(青瓷は青磁のこと)とある。いくつかある汝窯水仙盆の中でも最優品と言われる貫入(釉薬に入った細かいひ…

星群艦隊

アン・レッキーの『星群艦隊』(赤尾秀子訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞など驚異の全世界12冠を達成し、本格宇宙SFの歴史を塗り替えた《叛逆航路》三部作、堂々完結! ブレクの過去を描く…

北宋汝窯青磁水仙盆

大阪市立東洋陶磁美術館(大阪市北区中之島1−1−26)で特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」が開催されます。期間は本年十二月一〇日から二〇一七年三月二十六日まで。 観覧料は一般千二百円。特別展の前売り券は一般千円、高校生六百円で大…

ジェリーフィッシュは凍らない

市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』(東京創元社)をご恵送いただいた。第二十六回鮎川哲也賞授賞作。ありがとうございます。 雪山に不時着した、小型飛行機・ジェリーフィッシュでの連続殺人。閉鎖状況の艇内で起きた惨劇の真相は。選考委員絶賛、精…

ミステリーズ! vol.79

『ミステリーズ!』(東京創元社)vol.79をご恵送いただいた。ありがとうございます。 東京創元社のマスコットくらりは、表紙のオートバイにまたがっている女性が手にしているヘルメットに貼ってあるステッカーの形で登場。 『レイコの部屋』はお休みです。…

コッペパン(あん・バター)

コッペパンで有名な福田パン(岩手県盛岡市)をもらった。福田パンの売店ではなく、スーパーマーケットで売っていたものだけどと恐縮されながら。個包装された、いわゆる袋パン。 ありがたくいただいたが、 「福田パンのおいしさって、袋に入れたら二十%く…

麻疹と猫

仙台市内の書店で行われた怪談会で、最後に司会者が「ご来場のお客さまにも、実はこんな不思議な話をもっている、という方がいらっしゃるのではないでしょうか」と水を向けたところ、挙手して語り始めた少年がいた。「僕が三歳か四歳のころのことなんですけ…

鬼久屋の怪 来場御礼

八月二十一日に喜久屋書店仙台店で行われた怪談イベント「みちのく怪談 鬼久屋の怪」は無事に終了いたしました。大勢の方にお運びいただき盛り上げていただきました、ありがとうございます。 喜久屋書店仙台店の皆さまにもお世話になりました。ありがとうご…

霧に橋を架ける

キジ・ジョンスンの『霧に橋を架ける』(三角和代訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 同題の単行本の文庫化。以前にも読んだが、読み直して、キジ・ジョンスンの巧みさ、面白さを再確認した。霧に橋を架ける (創元SF文庫)作者: …

あの日からのみちのく怪談 東京公演(予告)

先月のいしのまき演劇祭で大好評だった、劇団コマイぬの読み芝居「あの日からのみちのく怪談」東京公演が決定しました。 九月四日に二公演行われます。 公式サイトでのチケットの予約は八月十六日午前零時からです。 【日時】2016/9/4(日)14:00-/17:30-※受付…

イカとゴジラ

ずっと Suicide Squid 「自殺烏賊」だと思っていた。風変わりなタイトルだけれど、きっと意味があるのだろうと深く追求しなかった。ある種の烏賊は条件が整えば自殺する習性があり、それが物語に絡んでくるとか、そういうなにかがあるのだろうと。 なので、…

ミステリーズ! vol.78

『ミステリーズ!』(東京創元社)vol.78をご恵送いただいた。ありがとうございます。八月十一日発売予定。 山本弘の創作講座「料理を作るように小説を書こう」が新連載。 表紙は、潮が引いて海面から顔を出した岩場に立つ女性の立ち姿で、彼女のかぶった緑…

八月のイベント

八月二十一日午後三時から喜久屋書店仙台店(仙台市青葉区中央4−1−1 イービーンズ5F・6F)で怪談イベント「みちのく怪談 鬼久屋の怪」が開催され、登壇します。入場は無料です。 出演者は、黒木あるじ、勝山海百合、郷内心瞳、小田イ輔、崩木十弐、根…

第7回創元SF短編賞贈呈式

七月二十九日に都内で開催された第七回創元SF短編賞贈呈式に出席した。 画像は東京創元社社長の長谷川晋一氏(向かって右)より賞状を贈呈される正賞授賞者の石川宗生(いしかわむねお)氏。背中を向けているのは、選考委員の一人の日下三蔵氏。 石川さん…

コマイぬよみ芝居「あの日からのみちのく怪談」

七月三十日に蔵しっくパーク(ひと・まち交流館)で行われたいしのまき演劇祭2016のコマイぬよみ芝居「あの日からのみちのく怪談」はたいへん面白かった。 文字で読んで知っていた怪談が、立体的になって目の前に差し出されるのだ。彩色され、膨らみと息吹の…

みちのく怪談会 来場御礼

七月三十日に宮城県東松島市の蔵しっくパーク(ひと・まち交流館)で開催された怪談イベント「〈みちのく怪談会〉 with いしのまき演劇祭2016」に大勢の方に足を運んでいただきました。ありがとうございます。豪壮な古民家で、座布団を並べた畳敷きの広間で…

みちのく怪談会来る!

東北怪談同盟編『渚にて あの日からの〈みちのく怪談〉』(荒蝦夷)、七月三十日発売予定です。(Amazonでの取り扱いはありません) 渚にて あの日からの〈みちのく怪談〉の通販/東北怪談同盟/黒木 あるじ - 小説:honto本の通販ストア来る七月三十日…

フラワーパン

盛岡市のシライシパン(白石食品工業)のフラワーパン。 丸いパンの真ん中が窪んでいて、そこにピーナッツクリームが入っている。パンの形が赤ん坊を座らせておく、えんつこ(えじこ)に似ているので家庭内ではえんつこパンと呼び慣わされていた。 桑田碧海…

人生の真実

グレアム・ジョイスの『人生の真実』(市田泉訳、創元海外SF叢書)をご恵送いただいた。ありがとうございます。2003年世界幻想文学大賞受賞作。人生の真実 (創元海外SF叢書)作者: グレアム・ジョイス,市田泉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/07/21…

いせしまこんのおみやげ

いせしまこんで中華圏SF企画部屋に入って、畳の上の座布団に座ったら、司会で通訳の立原透耶さんに呼ばれて前に出た。ポストカードを渡され、「ここに印刷された文章を読んで下さい」と言われて、読んだ。中国のファンタジー作家、程婧波さんの『夢喰い 少…

いせしまこん終了

第五十五回日本SF大会いせしまこん、無事に終了しました。 スタッフの皆さま、お疲れさまでした。 会場となった旅館戸田家は、温泉も食事も布団も快適で、従業員の方々も親切でした。 いせしまこんであるはずだったサイン会は、実行委員会側の手違いで会場…