鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

生活

佐藤厚志「境界の円居」

現代の東北を舞台に物語を織り上げようとすると、そこには二〇一一年の大震災が緯糸(よこいと)に入ってくる。震災について直接触れていなくても、敢えて書かないと選択しても。避けて通れないクレバスだ。 ずっと続くと思っていた日常が、大きく揺れて裂け…

第三回仙台短編文学賞

第三回仙台短編文学賞大賞受賞作の佐藤厚志「境界の円居(まどい)」、同賞河北新報賞受賞作の柿沼雅美「波打ち際の灯り」が掲載された河北新報の抜き刷りをいただいた。 「境界の円居」は四月十七日発売の『小説すばる』にも掲載される。 sendaitanpenbunga…

ナウシカ考

一月十九日、喜久屋書店仙台店で開催された「怪談&幻想文学ベストブック2019」第一部、第二部を参観して、第二部に登壇した(第一部にも出ていたが、メインは第二部)赤坂憲雄さんに『ナウシカ考 風の谷の黙示録』(岩波書店)にサインをしてもらった。赤坂…

Year of the Rat

染付大根鼠図大皿(伊万里)Large Dish with a Mouse and Radish, Imari, 19c. Tokyo National Museum.

LOCUS magazine

『ローカス』十月号 LOCUS magazine のワールドコン特集のページに、わたくしの写真と名前が載っている。写真を撮影したのは LOCUS のRachel (最初にカメラを向けられたとき、藤井太洋さんが紹介してくれた)LOCUS Oct. 2019 ローカス誌に名前が出るのは二…

第二十九回鮎川哲也賞、第十六回ミステリーズ!新人賞授賞式

十月二十五日、都内で開催された第二十九回鮎川哲也賞・第十六回ミステリーズ!新人賞授賞式に出席した。 鮎川哲也賞を受賞した方丈貴恵(ほうじょうきえ)さん、ミステリーズ!新人賞を受賞した床品美帆(ゆかしなみほ)さん、おめでとうございます。床品さ…

第四回創元ファンタジイ新人賞・第十回創元SF短編賞贈呈式

九月二日、飯田橋で開催された第四回創元ファンタジイ新人賞・第十回創元SF短編賞贈呈式(トークショー付き)に行ってきた。第四回創元ファンタジイ新人賞を「沙石の河原に鬼の舞う」で受賞した松葉屋なつみさん、第十回創元SF短編賞を「サンギータ」で…

マーティンズとハーリング(決勝戦)

ダブリンで開催されたワールドコン、メイン会場のコンベンションセンターダブリンの一隅にMartin's というバーがあってビールが飲める。ビール以外のメニューもあり、隅のほうではデニッシュのような軽食も売られている。天井は高く広さはあるが椅子は少ない…

Dublin 2019 受付完了

十五日からダブリンで開催される第七十七回世界SF大会 The 77th World Science Fiction Convention の受付を済ませた。ネームタグとスーベニールブックを受け取った。 この一年で亡くなった作家やファンの名前が載せられた In Memorial ページのうしろのほう…

関公でござる

東京国立博物館平成館で開催中の日中文化交流協定締結40周年記念特別展「三国志」は全展示品撮影可(フラッシュは禁止)なので、撮影で渋滞するのではないかと思っていたがそうでもなかった。開催第一週の週末、大勢の観客で混んではいたし、立派なカメラで…

レモンの花

路地のレモンの花。花弁の外側が紫なので蕾も紫。芳香がある。lemon flowers

日本ファンタジーノベル大賞2018授賞式

三月二十六日、日本ファンタジーノベル大賞2018授賞式に出席した。 受賞者は大塚已愛(おおつか いちか)さん、受賞作「勿怪の憑(もっけのがかり)」は『鬼憑き十兵衛』に改題のうえ刊行。大塚さん、おめでとうございます。大塚さんは静岡県出身で、デ…

テクノ法要のお行儀

東京国立博物館平成館の講堂で「テクノ法要」があると聞いたので出かけていった。(特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」の入場券か、入場券の半券が必要) 法要だからお数珠は持ったけれど、講堂の照明が消されると、読経とめまぐるしく変わる光、…

清平福来

東京国立博物館の東洋館で日中平和友好条約締結40周年記念 特別企画「中国近代絵画の巨匠 斉白石」をやっている。十二月二十五日まで。 斉白石(一八六四~一九五七)は湖南省湘潭出身の書画家。最初は大工や木工をしていた。篆刻もよくする。北京画院の初代…

四人

過日、SFイベントに出かけたら、初めて参加したというてのひら怪談作家が来ていた。実のところ、別のイベントで会ったときに、「西崎憲さんがゲストだから来たらいい」と誘ったら来てくれたのだ。その日は他に、bk1怪談大賞(八百字の掌篇怪談、てのひら怪…

第二十八回鮎川哲也賞、第十五回ミステリーズ!新人賞贈賞式

十月二十六日、都内飯田橋のホテルで開催された第二十八回鮎川哲也賞、第十五回ミステリーズ!新人賞贈賞式(東京創元社主催)に出席した。 鮎川哲也賞を「学校に行かない探偵」(『探偵は教室にいない』に改題して刊行)で受賞された川澄浩平さん、ミステリ…

登高

九月九日は重陽、菊の節句。 この日に菊の花びらを浮かべた酒を飲んだり、菊の花の上に一晩置いて露を宿らせた綿で体を拭くという習慣がある。健康で長寿になれる言われているこれら菊にまつわる習慣のほかに、丘や小高い場所に登る「登高」という習慣もある…

銀座で氷室饅頭

ダイニングギャラリー銀座の金沢で金沢市の型染め作家北村紗希の手ぬぐいを買ったら、氷室の一日ということで氷室饅頭いただいた。 氷室饅頭はいわゆる酒饅頭だが、石川県では氷室開きの七月一日に食べると夏バテしないと言われている。 和菓子模様の手ぬぐ…

孔雀仙人掌

昼間に咲くクジャクサボテン(孔雀仙人掌)の花。夜に咲く月下美人もクジャクサボテンの仲間。

兼六園菊桜

上野の東京国立博物館庭園の兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)が咲いた。 花弁の数がたいへん多く(三百枚以上のものもある)、開花すると手まりのように丸くなるが、花弁は散らずに、花柄(かへい)が落ちる。 今年の春の庭園開放は五月二十日まで。

日本ファンタジーノベル大賞2017贈呈式

三月二十七日、読売新聞東京本社三十二階レセプションルームで行われた日本ファンタジーノベル大賞2017贈呈式に出席してきた。 休止を経て復活した日本ファンタジーノベル大賞の大賞授賞者は柿村将彦氏。授賞作『隣のずこずこ』(新潮社)が刊行されたば…

怪談&幻想文学ベストブック2017

喜久屋書店仙台駅前店で開催されたトークイベント「怪談&幻想文学ベストブック2017」を観覧した。 二部構成で、前半は東雅夫、土方正志、黒木あるじの三人で二〇一七年の幻想文学系の書籍の収穫についての鼎談。 後半は英米文学研究者で翻訳家の東北学…

第二十七回鮎川哲也賞・第十四回ミステリーズ!新人賞贈呈式

十月二十七日、都内で行われた第二十七回鮎川哲也賞・第十四回ミステリーズ!新人賞贈呈式に出席した。鮎川哲也賞は今村昌弘氏の「屍人荘の殺人」、ミステリーズ!新人賞は大賞なし(優秀賞が丹野文月氏の落語ミステリ「未知との遭遇」に与えられた)。 今村…

ピーナツバターパン

駅の構内で全国の菓子パンが売られていた。「ピーナツバター」とだけ表示されたパン(ニシカワパン)が、シライシパンのフラワーパンに似ていたので買ってみた。 丸いパンに丸い窪みがあって、そこにホイップされて柔らかいピーナッツバターのクリームが入っ…

第八回創元SF短編賞・第二回創元ファンタジイ新人賞贈呈式

九月六日、都内で行われた第八回創元SF短編賞・第二回創元ファンタジイ新人賞贈呈式を参観した。 第八回創元SF短編賞は「七十四秒の旋律と孤独」の久永実木彦氏。第二回創元ファンタジイ新人賞は「宝石鳥」の鴇澤亜妃子氏、同賞優秀賞は「ぬばたまおろち…

しおがま

このあいだ仙台に行ったときは塩竈市に泊まった。海岸に近い、国道45号線沿いのホテルだ。 翌朝、窓の外から避難訓練のアナウンスが聞こえてきた。淡々とした調子で、高台に避難して下さい……と繰り返している。アナウンスに慣れたころ、スマートフォンが災…

結婚パーティー

五月十三日、都内で行われた田中ぴっぽさんと宮内悠介さんの結婚パーティーに行ってお祝いしてきた。 ウェディングケーキは参列者によってメッセージとフルーツで飾り付けられ(大きなチョコレートにおめでたい絵を描いたのは高山羽根子)、のちに新郎新婦の…

東京の兼六園菊桜

東京国立博物館の庭園開放、今年はいつもより長く、五月七日まで。 遅咲きの八重桜、兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)の様子を見に行ったら、蕾がほころび、一部では花咲いていた。 二〇一七年四月十六日のケンロクエンキクザクラ。ピントが合わなくて…

作家、本当のJ.T.リロイ

ジェフ・フォイヤージークが監督したドキュメンタリー映画、『作家、本当のJ.T.リロイ』を観に行った。 アメリカで一世を風靡した十代の作家がいた。J.T.リロイ。美しく年若い娼婦の母親とその愛人に虐待されて育ったJTは、自らも男娼となる。精神…

かほピョン

勝山海百合現代語訳『只野真葛の奥州ばなし』(荒蝦夷)についてのインタビューを受けるために仙台市を訪れ、聞かれたことに答えているうちに行く先を見失ったり、荒蝦夷に先導されて書店におもむいて挨拶をしたりした。 記事になったらお知らせする。 河北…