鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

スリランカ医療支援

スリランカSFF作家 VAJRA CHANDRASEKERA が、スリランカの直面する困難への支援を募っている。COVID-19 による死者より、経済問題での死者が上回りそうだという。医薬品が足りないため、手の施しようのない患者や患児がいるのだ。
vajra.me
メディカルサプライのためのクラウドファンディングに匿名で支援をした。塵も積もれば山となる。
www.gofundme.com

スリランカと言えば、紅茶、宝石、カレー、世界遺産、SF作家のアーサー・C・クラークが晩年を過ごした島だ。ウィッキーさん(日本では英会話の人として有名)もスリランカ人。最近ではソナーリ・デラニヤガラが著した『波』(佐藤澄子訳、新潮クレストブックス)も忘れがたい。スリランカ出身で、英国のケンブリッジ大学で学び、オックスフォード大学で博士号を取得した女性が、クリスマス休暇で訪れたスリランカのリゾート地で、夫と幼い二人の息子、両親を津波で失う。二〇〇四年のスマトラ島沖地震による津波だ。友人にその境遇を羨望された女性が、大事なものを一度にすべて失うところから書き起こされるノンフィクション。
www.shinchosha.co.jp
スリランカには行ったことがある。内戦と津波の被害から立ち直りつつある頃で、美しい自然の、歴史のある国だと思った。イスラム教徒やヒンドゥー教徒もいるが仏教徒が多く、ガイドさんが、「タイの観光客は仏さま(仏像)にすぐ触る、なれなれしい」と憤慨していたのを覚えている。「仏さまは、友達じゃない」(仏像に触れたり、勝手に金箔を貼ろうとするタイ人がいるのだそうだ。同じ仏教徒でも、タイとスリランカでは向き合い方が違う)
津波被害後に外資系資本が大量に入って来て、ホテルや観光地は洗練されたが、国民の所得向上にはそれほど寄与していないとあとで知った。
四月十二日、スリランカ政府は対外債務の一部支払いを停止を発表した。一九四八年の独立以来初めてのデフォルト(債務不履行)状態になる。