鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

江戸の怪談実話(予告)

はるこん2015で、江戸に生まれ仙台で没した只野真葛についてと、彼女が書き残した怪談実話集「奥州ばなし」について語ります。
「奥州ばなし」は、真葛自身が身近な人物から聞いた不思議な話、興味深い話を書き記したもので、島流しにされた笛の名人のもとに少年に化けた狐が笛を聞きに来る話、猫の化け物にかんじき(雪道で履く履き物)の紐を切られるという悪戯を仕掛けられ、怒って刀で切りつける話、竿に干した肌着が夜目にはおそろしいものに見え、伝授されたばかりの術ですっぱり分断する(気合いか?)話、自分自身にそっくりな後ろ姿を見て、追いかけるもついに顔を見ることができなかった話、両の鬢に針を仕込んで常に臨戦態勢だった手裏剣名人、ひどいけちんぼ、仙台の国主が吉原から身請けした高尾大夫を殺していない話(俗説や芝居では、身請けされたのちも恋人に操を立てる高尾を、隅田川の中州で切り殺したとされている)など。
真葛の筆は、聞いたことをそのまま記すのが基本ではありますが、ときどき真葛の正直な感想が差し挟まれるのでした。例)「こんな人とは添いたくありません」

『みちのく怪談名作選 vol.1』(荒蝦夷)に「奥州ばなし」の一部の現代語訳が拙訳で掲載されております。その後、雑誌『仙台学』(荒蝦夷)に「奥州ばなし」現代語訳が連載中です。
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