鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2014-01-01から1年間の記事一覧

誰よりも狙われた男

今年の初め、フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなった。 先日観たアントン・コービン監督の『誰よりも狙われた男』(原作はジョン・ル=カレ)はドイツのハンブルクを舞台にした、重々しく息詰まるスパイ映画だったが、ホフマンの遺作になったことを知っ…

二〇一四年の映画

今年観た映画で、印象に残っているものを挙げる。★『ミス・ジーンズ・フィンランド』(マッティ・キンヌネン監督) 一九七七年のフィンランドのオウルで、十七歳のバルデはアメリカや英国の音楽に触れて、自分でも作詞作曲をし、歌い始める……同級生の美少女…

森と人のミステリウム

金子富之個展「森と人のミステリウム 現代絵画表現から元型への回帰」が福島県喜多方市の大和川酒蔵北方風土館で開催中です。十二月二十八日まで。 十二月二十三日には午後三時から大和川酒蔵北方風土館大正ロマン堂で美術評論家の小金沢智さんと金子富之さ…

ミステリーズ! vol.68

『ミステリーズ!』(東京創元社)vol.68をご恵送いただいた。ありがとうございます。表紙のくらり(うさぎの帽子をかぶった黒猫)は、きのこの椅子に腰掛けて、黄色い本を読んでいる。ミステリーズ! vol.68作者: 森谷明子ほか出版社/メーカー: 東京創元社発…

ボンサイ

東京国立博物館表慶館で開催中の特別エキシビション「エルメス レザー・フォーエバー」、順路の掉尾を飾る展示は盆栽だった。馬具作りから歴史が始まり、皮革製品で著名なエルメスのバッグが、てのひらサイズになって根が生えていた。 (同エキシビションは…

第二回ハヤカワSFコンテスト贈賞式

都内で開催された第二回ハヤカワSFコンテスト贈賞式に出席した。 「ニルヤの島」で受賞した柴田勝家(しばた かついえ)さん、おめでとうございます。 画像は、受賞スピーチの一人称が「わし」だった、民俗学徒でもある柴田さん。紋付きの黒羽織に、仙台平…

Mei  Vol.5 

『Mei (冥)』(KADOKAWA 角川書店) Vol.5が発売になりました。特集「動物奇談」に小説「くちなし」を寄稿しております。女のコのためのこわ~い文芸誌Mei(冥) Vol.05 (幽BOOKS)作者: 千早茜,花房観音,柴崎友香,加門七海,東直子,伊藤三巳華,漆原ミチ,今…

今日から地球人

マット・ヘイグ『今日から地球人』(鈴木恵訳、ハヤカワミステリ文庫)をご恵送いただきました。ありがとうございます。今日から地球人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: マットヘイグ,Matt Haig,鈴木恵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/11/21メディア: …

ラブスター博士の最後の発見

アンドリ・S・マグナソン『ラブスター博士の最後の発見』(佐田千織訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 アンドリ・スナイル・マグナソンはアイスランド人。アイスランドのレイキャヴィク出身、在住。ラブスター博士の最後の発見…

狂書伝(電書)、Mei Vol.5(予告)

拙著『狂書伝』(新潮社)の電子書籍が発売中です。狂書伝作者: 勝山海百合出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/11/07メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る狂書伝の電子書籍 - honto電子書籍ストア 十一月二十八日発売予定の『Mei (冥…

名著百選 2014

ブックファースト新宿店地下一階Aゾーンでブックフェア「名著百選」が開催中です。十二月七日まで。 フェア対象商品をお買い上げのかた先着千名に、選書目録がプレゼントされます。 わたくしが今年選んだのは、木村宗慎の『一日一菓』(新潮社)です。一日…

第二十四回神保町ブックフェスティバル

第二十四回神保町ブックフェスティバルをちょっと眺めるつもりで行って、お世話になっている出版関係のかたがたにご挨拶したり、こまごまと買い物してしまう。 画像は『サンリオSF文庫総解説』(本の雑誌社)の編者サイン本と、お化け大学校購買部で買い物…

第二十四回鮎川哲也賞、第十一回ミステリーズ!新人賞贈呈式

十月三十一日に都内飯田橋で行われた第二十四回鮎川哲也賞、第十一回ミステリーズ!新人賞贈呈式(東京創元社)に出席しました。鮎川哲也賞を「B(ビリヤード)ハナブサへようこそ」で受賞した内山純さん、ミステリーズ!新人賞を「消えた脳病変」で受賞し…

十一月の予定

十一月一日(土)から三日(祝)まで、東京神田で神保町ブックフェスティバルが開催されます。 十一月三日からブックファースト新宿店で、ブックフェア「名著百選」が始まります。今年も選書に参加し、紹介文を書きました。 十一月七日に、拙著『狂書伝』(…

小説新潮

『小説新潮』十一月号(新潮社)の特集「さても面妖な物語」に、拙作「麒麟に非ず」(挿画・櫻井乃梨子)が掲載されます。短編。十月二十二日発売です。小説新潮 2014年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/10/22メディア: 雑誌この商品を含…

ドーナツ? ドーナツ!

フィンランドのタンペレで、「フィンランドで一番おいしいドーナツ」を食べた。 ドーナツはフィンランド語でMunkki。Donitsiともいう。 タンペレの展望台のカフェの人気メニューだそうで、VR(フィンランド鉄道)タンペレ駅から歩いて三十分ほどの展望台を…

スホネン姉妹

十月十六日に東京の青山で開催されたイヴァナ・ヘルシンキ(Ivana Helsinki フィンランドのアパレルブランド) の来年(二〇一五年)の春夏コレクションと、トーヴェ・ヤンソンの「ムーミン」を主題にしたコレクションのローンチ・イベントに出かけてきた。 …

ミステリーズ! vol.67、Bハナブサへようこそ

『ミステリーズ!』vol.67(東京創元社)と、第二十四回鮎川哲也賞受賞作の内山純『B(ビリヤード)ハナブサへようこそ』(東京創元社)をご恵送いただく。ありがとうございます。ミステリーズ! vol.67作者: 乾ルカほか出版社/メーカー: 東京創元社発売日: …

フレンチトースト

京都のスマート珈琲店でフレンチトーストを食べた。 まえにホットケーキをいただいたのだけど、あとでフレンチトーストもおいしいと知り、次に行ったら食べようと思っていた。 楽しみにしていたフレンチトーストは厚くて黄色くて、焦げ目が付いた見た目から…

狂える者の書

タニス・リーの『狂える者の書』(創元推理文庫、市田泉訳)をご恵送いただきました。ありがとうございます。狂える者の書 (パラディスの秘録) (創元推理文庫)作者: タニス・リー,市田泉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2014/09/29メディア: 文庫この商…

ヘルシンキの虹

八月半ばのヘルシンキは日本の感覚からすると秋だった。日中の最高気温は十八℃くらい、日は長いので午後九時頃まで明るいが、雨が降ったり止んだり、狐の嫁入り(天気雨)はしばしばあり……おかげで虹はよく見た。

スレンダーマン

ロンドンで開催された世界SF大会 LONCON3の会場で、スレンダーマン……黒いスーツで長身、のっぺらぼうで手足が異様に長い、あるいは腕が何本かの長い触手の、少年少女の失踪事件に関連していることで知られる(という設定の)キャラクタを見た。 良くできた…

2312 太陽系動乱

キム・スタンリー・ロビンスンの『2312 太陽系動乱』上下巻(創元SF文庫、金子浩訳)をご恵送いただきました。ありがとうございます。2312 太陽系動乱〈上〉 (創元SF文庫)作者: キム・スタンリー・ロビンスン,加藤直之,金子浩出版社/メーカー: 東京創…

アイスクリーム

フィンランドはアイスクリームの消費量がヨーロッパ一位だそうだ。行ったのが夏だったせいか、ヘルシンキ市内のあちこちでアイスクリームを売っていた。港のマーケット広場に行ったとき、ほかにも美味しそうなものが売られていたのに Ingman のアイスクリー…

鳥そば

山形に行ったらここで食べよう。と心に決めていた蕎麦屋に辿り着くことが出来なかったので、てきとうに、昔からある町の蕎麦屋(メニューにラーメンもある)という構えの店に入った。温かいそばメニューの、かけそばから始まってカレーそばで終わるような列…

来場御礼

山形市の八文字屋本店、戸田書店山形店で開催されたトークイベントにたくさんの方々にご来場いただきました。ありがとうございます。 戸田書店のほうでは、「新作を語る」というテーマでしたが、直前に「全作を語る」にテーマを変え、黒木あるじさんの巧みな…

本の雑誌

『本の雑誌』(本の雑誌社)十月号の池澤春菜さんの連載レビューで、わたくしも参加した今岡正治編『夏色の想像力』(草原SF文庫)が取り上げられました。「大人気ない大人の本気を見よ!」というタイトルです。(本文中で拙作にも触れられています) 同誌…

ヘルシンキのスターバックス

オーストラリアには独自のカフェ文化が根付いているため、出店したスターバックスが苦戦し、撤退したという話を聞いたことがある。フィンランド人も珈琲好きだが、コーヒーショップが多く、 Robert's Coffee やWayne's Coffee といった地元のコーヒーショッ…

山形のイベント(予告)

九月十三、十四日に、山形市内の書店で行われるイベントに、怪談作家の黒木あるじさんと出演します。 十三日(土曜日)は午後五時半から八文字屋本店でみちのく怪談について語り(怪談の朗読もありますが、わたくしはしません)、十四日(日曜日)は午後六時…

ピーコちゃんとヨハンナ

左肩にセキセイインコ、右手にオカメインコをのせたカバーガールが気になってヘルシンキで『OLIVIA』十月号を買った。くだんのモデルは Johanna Tailanen で、本文でも小鳥と一緒にファッションページに登場していた。(調べたら、同誌では動物と共演するこ…