鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ムンバイと代々木公園

『PLAYBOY[日本版]』十一月号に掲載されている石井光太の「地を這う裸虫 切断されたインドの浮浪児たち」第二回を読んだ。 インドのムンバイで、手足を切断されたり目を潰されたりして物乞いをしている路上の子ども達を取材しているのだが、第一回を読んだ…

『地図男』の中の人

用があって母親に電話をしたら、「さっきテレビに『ダ・ヴィンチ文学賞』のシンジョウさんが出ていた」と言われた。 シンジョウさんとは真藤順丈のことだろうが、母よ、それは縮め過ぎ。 真藤氏とは『幽』怪談文学賞の授賞式でご一緒し、『ダ・ヴィンチ』に…

特典サンプル

九月三十日までに、ネット書店のbk1で拙著『竜岩石とただならぬ娘』をお買い上げの方に、特典として著者による全作コメントが送付されます。 ご参考までに、一部を公開します。長短はありますが、だいたいこんな感じです。 「媚珠」 媚珠を核にして考えて…

登高

九月九日は重陽節で、この日に登高、山や丘のような高いところに行って過ごす習慣がある。 後漢の頃、方士の費長房が弟子の桓景に「九月九日に災いがあるので、その日は家族全員で高いところに登り、臂に茱萸(しゅゆ)の入った赤い袋をかけ、菊酒を飲むと災…

したたる

『ダ・ヴィンチ』十月号に、掌編「登高」が掲載されています。「竜岩石」のその後です。 依頼があったとき、十月号にスガシカオのインタビューが掲載されることを知っていたので、スガの「あまい果実」にちなんで、熟した果物を登場させようと勝手に決めて書…

家守

知り合いから有り難い荷物が届き、段ボール箱を開けたら、クッションに入っていた新聞紙の上に、灰色っぽい茶色の小さいヤモリがいた。突然現れたのではなく、入っていた。アッと思ったらパッと逃げて、捕まえようとしたら床に積んでいる本の間を通って家具…

その後の竜岩石

六日発売の『ダ・ヴィンチ』十月号に掌編が掲載されます。 「竜岩石」の番外編のような、書かれなかったエピソードのようなものとの依頼でしたので、李衛が去った数カ月後を書きました。十月号ですが九月発売にちなみ、重陽節(九月九日、菊の節句)の出来事…