鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2008-01-01から1年間の記事一覧

あの部屋に逃げろ

来年用のスケジュール帳(子羊)と日記帳(ツバキ)とトントゥ。熱があるときに『ヒンメリ―フィンランドの伝統装飾』と『赤いヤッケの男』を読んでいたら、古びた座敷で寝ていて金縛りに遭い、(むこうのヒンメリのある部屋に逃げよう)と思いながら忍び寄る…

歳尾

今年は『竜岩石とただならぬ娘』が出版できた嬉しい年でした。読んで下さった皆様、ありがとうございます。来年もよろしくお願いします。 竜岩石とただならぬ娘の通販/勝山 海百合 MF文庫ダ・ヴィンチ - 紙の本:honto本の通販ストア 竜岩石(りゅうがんせき)…

ヒンメリ

フィンランドカフェ2008の会場の天井からはヒンメリが下がっていてきれいだった。Himmeli ヒンメリは短く切った麦わらを糸でつないで作ったモビールで、大きなものはシャンデリアのように豪華に見える。 もともと冬至に行われる収穫祭の飾りだったけれど、現…

トントゥ

恵比寿のSPAZIOを会場にフィンランドに親しんでもらおうというイベント、フィンランドカフェ2008(十二月十九〜二十八日)に行った。 フィンランド製品を扱うショップとカフェが開店し、観光案内や各種のワークショップが行われ、フィンランドを近くに感じる…

L.L.C.

来年一月二十六日刊行予定の、クトゥルー神話の掌編が百十一納められた『リトル・リトル・クトゥルー 史上最小の神話小説集』(学研)に拙作が掲載されます。 昨年、クトゥルーをテーマにした掌編が公募され、それに応募した作品が採用されました。 過日、学…

超短編の世界

十二月十四日、西荻窪のこけし屋別館二階を会場に開催された第28回西荻ブックマーク「超短編の世界」を観覧した。 超短編(五百文字以内で書かれた文章作品、と理解している)をテーマにしたトークや朗読を楽しんだが、超短編の実作者による朗読が素晴らしく…

はかりごと

『幽』第10号が発売になりました。幽 2009年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/12/15メディア: 雑誌この商品を含むブログ (5件) を見る第一特集「怪談マニア龍之介」に、拙作「はかりごと」が掲載されています。 『椒図志…

たのみごと

「椒図志異」は、芥川龍之介が読んだり聞いたりして集めた怪談集で、全集か『芥川龍之介妖怪文学館』(学研M文庫)(現在は品切れ)で全文を読むことが出来る。 その「椒図志異」の中から、好きな怪談を選んで掌編を書くという依頼が『幽』編集部からあり、…

『幽』第10号

怪談専門誌『幽』(メディアファクトリー)第10号は十二月十五日発売予定。 第一特集は「怪談マニア龍之介」で、芥川龍之介と怪談について多くのページが割かれています。(特集内に拙作も掲載されています)幽 2009年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: メデ…

振ってはいけない

友人の送別会が池袋であったので池袋駅で下車して地下の連絡通路を歩いていたら、若い黒人男性が、自動販売機で買ったオロナミンCを振っているのを目にした。何か思うところがあったのか、炭酸飲料だと知らないのかわからないが、上下に振って、栓を開けよ…

ポンポコ

つきあいの長い友人に、この頃ポンポコを見ないと言ったら、すかさず「K堂(洋菓子店)で売ってるよ」と言われた。 ぽんぽこというのは、バタークリームにチョコレートを掛けて、耳や目鼻を付けてタヌキのようにしてあるお菓子のことで、昭和の時代にはよく…

一年前

昨年のちょうど今ごろ、第二回『幽』怪談文学賞の選考会が行われた。その結果、拙作「竜岩石」が短編部門の優秀賞を受賞した。 拙作が最終候補作品に選ばれてから、ここまで来ただけでも嬉しい・受賞は難しいだろう・でも受賞を逃して次はあるのか・授賞式に…

最後のカレー

『ダ・ヴィンチ』12月号の特集に拙作「最後のカレー」が掲載されています。 見本誌をいただいたので読んだのですが、短くて心に染みる文章が掲載されていて、涙腺をぐいぐい刺激するということもないので安心していたら、不意打ちで心を揺さぶられたりして…

眠る前

十一月六日発売の『ダ・ヴィンチ』12月号の特集「眠る前の5分、じんわりあなたに効く 泣けるいい話100」に、拙作が掲載されます。 ベッドで読んで、号泣して眠れなくなって、朝になったらまぶたが腫れていて最悪! ということはないと思います。ポイン…

特注

友人にいただいたどら焼きには、鈴でも千鳥でも屋号でもない焼き印が捺されていました。 「もったいなくて食べられない」 と思いながらもいただきました。たまごがたっぷり使われた、しっとりと重めの皮に、柔らかく炊かれた粒あんがはさまれていて美味しか…

銘菓

古い友人から、出版祝いをいただいた。クール便で送ると言われていたので時間を指定して待って、ひんやりと冷たい荷物を受け取った。お菓子なのは知っていたが、なんだろうと開けてみたらどら焼きで、その名も「竜岩石」と「ただならぬ娘」の詰め合わせ。 嬉…

在庫切れ

ある本が読みたくて、ネット書店を探したけれど在庫がなかった。公立図書館の蔵書を検索したら、その本はなかったものの非常に近い本があったので、近くの図書館に回してもらうのももどかしく蔵書している図書館に出かけた。場所は知っていたが利用したこと…

空港で

緒形拳を見たことがある。羽田空港で、誰かを待っているらしく、すっと立っていた。背が高く、きれいに刈られた白髪で、レンズに色のついた眼鏡をかけていた。本藍染めのシャツに裂き織のベストを着ていた気がする。ずいぶん背が高い人だと思った。しばらく…

十日の菊

昨日は九月九日だったので、近くの山にピクニックに行った。魔法瓶にはほうじ茶。お弁当は、酢飯に黄色い菊の花を混ぜたちらし寿司、鶏の唐揚げ、ブロッコリー。おやつには持っていった梨を剥いて食べた。 紅葉はまだ始まっていなかったが、木々の緑から鮮や…

民話の里のおやじ

遠野の道の駅のハロウィンコンテストにはカボチャの目玉おやじも出品されていた。 鬼太郎ファミリーは遠野でも人気。

遠野のねずみ男

道の駅の遠野 風の丘て開催中のハロウィンコンテストで二位だったカボチャのねずみ男。隣の鬼太郎と同じ出品者でした。舌の造形に気配りが感じられます。

ムンバイと代々木公園

『PLAYBOY[日本版]』十一月号に掲載されている石井光太の「地を這う裸虫 切断されたインドの浮浪児たち」第二回を読んだ。 インドのムンバイで、手足を切断されたり目を潰されたりして物乞いをしている路上の子ども達を取材しているのだが、第一回を読んだ…

『地図男』の中の人

用があって母親に電話をしたら、「さっきテレビに『ダ・ヴィンチ文学賞』のシンジョウさんが出ていた」と言われた。 シンジョウさんとは真藤順丈のことだろうが、母よ、それは縮め過ぎ。 真藤氏とは『幽』怪談文学賞の授賞式でご一緒し、『ダ・ヴィンチ』に…

特典サンプル

九月三十日までに、ネット書店のbk1で拙著『竜岩石とただならぬ娘』をお買い上げの方に、特典として著者による全作コメントが送付されます。 ご参考までに、一部を公開します。長短はありますが、だいたいこんな感じです。 「媚珠」 媚珠を核にして考えて…

登高

九月九日は重陽節で、この日に登高、山や丘のような高いところに行って過ごす習慣がある。 後漢の頃、方士の費長房が弟子の桓景に「九月九日に災いがあるので、その日は家族全員で高いところに登り、臂に茱萸(しゅゆ)の入った赤い袋をかけ、菊酒を飲むと災…

したたる

『ダ・ヴィンチ』十月号に、掌編「登高」が掲載されています。「竜岩石」のその後です。 依頼があったとき、十月号にスガシカオのインタビューが掲載されることを知っていたので、スガの「あまい果実」にちなんで、熟した果物を登場させようと勝手に決めて書…

家守

知り合いから有り難い荷物が届き、段ボール箱を開けたら、クッションに入っていた新聞紙の上に、灰色っぽい茶色の小さいヤモリがいた。突然現れたのではなく、入っていた。アッと思ったらパッと逃げて、捕まえようとしたら床に積んでいる本の間を通って家具…

その後の竜岩石

六日発売の『ダ・ヴィンチ』十月号に掌編が掲載されます。 「竜岩石」の番外編のような、書かれなかったエピソードのようなものとの依頼でしたので、李衛が去った数カ月後を書きました。十月号ですが九月発売にちなみ、重陽節(九月九日、菊の節句)の出来事…

天女ポップ

メディアファクトリーの営業さんからの依頼で、店頭用ポップを書きました。 悪筆な上に気が利いたことも書けないので、先週京都で買ってきた天女のゴム印を捺して誤魔化してみたり。文庫なので名刺大です。 ポップは川崎駅近辺の書店の店頭で見ることが出来…

おまけ解題

京都のイベントで拙著『竜岩石とただならぬ娘』をお買い上げいただいた方、ネット書店等で予約済みの方で欲しいと申告された方に、蔵書票をお配りしました。 二種類ありますが、三つの桃の実がついた枝をひげの老人が肩に掛けているのが「東方朔捧桃」(東方…