鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

蓮迷

香港の成人映画『金瓶梅』(原作は明代の蘭陵笑笑生の小説)が日本で公開されると聞いて何が気になるかというと、映画の主人公で性の探求者 西門慶が愛人の潘金蓮の纏足をどのように可愛がるかの一点に尽きる。纏足というのは、女性の足を、親指以外の指を土踏まずの方に折り、強くしばって足を小さくする中国の古い習慣で、小さくて形が良い足が好まれたらしい。ふだんは長い布で包んで刺繍のあるくつをはいているが、布の下の素足は笹の葉をとった中華ちまきに似ている。
公式webサイト(十八歳未満お断り)に予告編があったので再生して見てみたら、西門慶潘金蓮の足の布をほどき、その小さな爪先を口にくわえる場面があった。あったが、その足は白くて小さくて薄い、ただの小さな(子どもの)足だった。足の裏に指がくっついてもいないし、親指と踵の距離も長い。世の蓮迷(纏足マニア)が「おれの纏足と違う」(纏足と書いてロックとよむ)と暴動を起こすかも知れない。

画像は友人にもらった南部鉄器の文鎮「黒い家」と原稿用紙の手拭い。手拭いは、拡げると四百字詰原稿用紙が四枚になる。