鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

影響を受けた人

『幽』怪談文学賞の授賞式の挨拶で「書くにあたって心の中でお手本にしたのは魯迅の『故郷』と中島敦の『山月記』でした」と話したが、どのあたりをお手本にしたかというと、志怪風小説を書くとき、登場人物が華人だったら、地の文では姓名を記す(例、陶納は笑った)ところ。文体は前野直彬の翻訳文にどうしようもなく影響を受けているが、前野氏の翻訳で志怪を読んできたので致し方ない。
『竜岩石とただならぬ娘』掲載の書き下ろし作のいくつかは、ケリー・リンクの短編集『マジック・フォー・ビギナーズ』(早川書房)の影響下にある。「おとぎ話の多くは良き伴侶を求める話であること」に自覚的なところとか。