鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

厩猿(断片)

厩猿と書いて、まやざる・うまやざるとよむが、厩猿は馬小屋や牛小屋に祀られたサルの頭蓋骨(上肢の先の場合もある)で、ウマやウシを守護すると考えられているそうだ。厩猿のことは以前訪れた牛の博物館 The Cattle Museum(岩手県奥州市前沢区)の展示で知った。(この博物館はウシの進化や生態、世界各地のウシにまつわる風習や信仰についてなど、ウシに関わる事物を広く展示・紹介している。用意周到なことに同じ敷地内のレストランで前沢牛も食べられる)

牛の博物館ホームページ
http://www.isop.ne.jp/atrui/mhaku.html
厩猿信仰
http://www.isop.ne.jp/atrui/ushi/07_tomo/mayazaru/main.html

ウマを守護する神の使いがサル、或いはサルがウマを守るという考えには歴史がある。厩舎でサルを飼ったり、飼わないまでも厩舎の装飾の意匠がサルだったりする。馬小屋でサルを舞わせて魔を払うこともある。唐代に盛んに信仰され、日本にも渡来した馬歴神(ばれきじん)はウマの守護神で、片方の足の下にセキレイ、もう片方の足の下にサル、両手に剣をもつ姿をしている。

厩があれば厩猿があるとは限らず、例えば遠野からは発見されない。遠野の牛馬の守護はオシラ様が担っているかららしい。

六月二十七日に牛の博物館で全国厩猿シンポジウム「岩手・奥州市からの発見をとおして」が開催された。しかしそのことを知ったときには終わっていた。