鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

蘆江怪談集

平山蘆江の『蘆江怪談集』を読んだ。もちろん先日刊行されたウェッジ文庫版の方を。(底本は岡倉書房から昭和九(一九三四)年に刊行)
怪談集とあるが、幽霊がうらめしやと登場するだけでなく(そもそもそんな場面はないのだが)、幽霊の正体見たり的な、それは精神の作用がそう見せたのだと言っているようなものもあり、一筋縄ではない。
読んでいると、古典落語や歌舞伎の世話物を鑑賞したときのような――ある部分ではそれ以上に生々しく――江戸を感じた。登場人物の息遣いが聞こえるようだった。

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蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)

蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)