鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

金子富之展

日本橋高島屋ギャラリーXで開催中の『―妖怪奇譚― 金子富之展』には、これまで二度ほど足を運んだ。初めは不気味に感じた、異形の神とも妖怪、魔物ともつかないものたちだが、慣れたせいかそれほど怖くなくなった。作品によっては可愛らしく感じたり、有り難い気持ちになったりもする。「首かじり」(非売品)を家に飾ったら、帰って来て灯りを点けるたびに驚く気がするが。
制作ノートのカラーコピーが数十枚壁に貼られていて、これを眺めるのが面白い。備忘録のようなものから、作品のアイデアなど、本人にだけわかればいいことが書いてある。細いペンで描いた習作めいたものだけでなく、可愛い絵が描いてあったりするのが、他人に見せるつもりなくペンを走らせたという雰囲気で、夢中で見たあとで、ふと後ろめたくなる。
同展は六月十三日まで。