鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

生活

特別展中尊寺金色堂

中尊寺金色堂模型(五分の一)先日、上野の東京国立博物館本館で「建立900年 特別展中尊寺金色堂」を観覧した。(会期は本年一月二十三日から四月十四日まで)(画像は展示室内で唯一撮影が許された金色堂の模型) 中尊寺は嘉祥三(八五〇)年に現在の岩…

画に描いた魚

三彩刻花双魚文盤魚を食べ終えても、皿の魚はなくならない。 「三彩刻花双魚文盤」(中国磁州窯、金代、十二~十三世紀。東京国立博物館所蔵 横河民輔寄贈)

金木犀(つぼみ)

金木犀2023年(つぼみ)金木犀(きんもくせい)に近づいて見たら、小さな丸い蕾が膨らんでいた。まだ開いていないが、色づいて今日か明日かといった風情だ。もしかしたらもう一つ二つは開きかけているかも……と、しばらくそばに佇んでみたが、鼻は明確な香り…

中国陶磁研究会会報

東京国立博物館東洋館で、特集「創立80周年記念 常盤山文庫の名宝」(八月二十九日から十月二十二日まで)を見た。常盤山文庫は実業家菅原通濟(すがはらみちなり)の蒐集した墨蹟、書画が元になっており、そこに陶磁器などの工芸品が加わった東洋美術のコレ…

月餅2023

月餅本日は中秋(旧暦八月十五日)なので、横浜中華街のお土産物屋さんで買った月餅を。 真ん中に「仲秋」とでもあれば季節菓子らしさがあるが、「豆沙」は小豆のこしあんのことで、中身のことだ。わかりやすい。 あんこに黒糖の風味があり、刻んだ胡桃が入…

図書室の魔法(小学校の思い出)

卒業した小学校が今年の三月で閉校になった。校長先生に頼まれて閉校記念文集に書いた「小学校の思い出」をここで公開する。 タイトルはジョー・ウォルトンの『図書室の魔法』(上下巻、茂木健訳、創元SF文庫)から借りた。 図書室の魔法 勝山海百合 図書…

日本ファンタジーノベル大賞2023

神獣夢望伝七月四日、都内で日本ファンタジーノベル大賞2023の贈呈式が行われ、参加してきた。公開で行われた贈呈式は四年ぶりだろうか。 今回の受賞作は武石勝義(たけし かつよし)氏の『神獣夢望伝』(「夢現の神獣、未だ醒めず」改題)で、新潮社か…

Like Smoke, Like Light

ユキミ・オガワさんの 初めての著書、"Like Smoke, Like Light" by Yukimi Ogawa を手に入れた。アメリカの出版社の本だが、電子書籍でも手に入るし、オンデマンド印刷で日本国内で印刷製本して届けられる。海を渡るのはデータだけ。 Like Smoke, Like Light…

三彩兎文皿

三彩兎文皿「三彩兎文皿」中国、磁州窯。金~元時代(十三世紀)。東京国立博物館蔵。 二〇二三年癸卯。

仏手柑

仏手柑 Citrus medica街で見かけた鉢植えの仏手柑(ぶっしゅかん、ミカン科ミカン属)の実。 指のように裂けた実の形を「仏の手」にたとえられる。果肉はないが皮に芳香があり、乾燥させたものは漢方薬にもなる。陳皮(ミカンの皮)と似た効能があるそうだ。…

これはポポーというものかしら

pawpaw こないだ見かけた果実。これはポポーというものかしら。(ポーポー。Pawpaw 北米原産、バンレイシ科の果樹。秋に実る果実は芳香があって甘いが、傷みやすいのであまり流通に乗らない)

二〇二二年の金木犀

金木犀金木犀(キンモクセイ)が今季二度目の花盛りを迎えている。 金木犀は丈夫なためか、庭木や生け垣、公園でよく見かける。なかには手入れがされてない木もあるが、この木は葉も艶々しており花付きもすこぶる良い。 白い花が金木犀に遅れて咲く、優しい…

さよなら、メリッサ・バンク

『娘たちのための狩りと釣りの手引き』『娘たちのための狩りと釣りの手引き』“The Girls’ Guide to Hunting and Fishing” の作者メリッサ・バンクが亡くなった。六十一歳。八月五日付ワシントンポストの Harrison Smith の記事によると、八月二日にニューヨ…

文月

参院選の期日前投票に行った。インボイス制度には反対だ。

ピンクの薔薇

五月の薔薇。 Pink Rose

スリランカ医療支援

スリランカのSFF作家 VAJRA CHANDRASEKERA が、スリランカの直面する困難への支援を募っている。COVID-19 による死者より、経済問題での死者が上回りそうだという。医薬品が足りないため、手の施しようのない患者や患児がいるのだ。 vajra.me メディカルサプ…

ジョークを言い続けよう

ウクライナ出身の Alex Shvartsman が編集長を務める アメリカのSF誌 Future Science Fiction Digest (UFO publishing)、最新号 issue 14 のまえがきによると、編集長はロシア軍のウクライナ侵攻に心を痛めている。 future-sf.com一部を引用して日本語で紹…

ペンギンの憂鬱

何年か前、日本に住んでいるウクライナ人の若い女性と話したことがある。ウクライナ出身と聞いて、咄嗟に口から出たのは「レム……はポーランド人ですね」であったが、「ポーランド! 近いです」と気を遣われてしまった。「アンドレイ・クルコフの『ペンギンの…

TECOLOTE Café

堀井和子の『朝ごはんの空気を見つけにいく』(講談社α文庫、二〇〇七年四月初版。底本は二〇〇二年刊行)は、堀井が家族や友人、仕事仲間などの近しい人々に朝食をテーマにあれこれ聞いて、語ってもらい、それをまとめた一冊だ。小学生の二人の女の子(姉妹…

山茶花

Camellia sasanqua

イベントでの行動規範

アメリカ合衆国ロサンゼルスで行われるSFのローカル・コンベンションLOSCONは今年で四十七回目。ロサンゼルス国際空港(LAX)隣接のLAXマリオットホテルを会場に、今年の十一月二十六日(金)から二十八日(日)の三日間開催される。十六歳以上の参加者はC…

御衣黄(ぎょいこう)

緑の八重桜の園芸品種「御衣黄」。緑の縞が入っているが、花の終わり頃は赤みを帯びる。 理化学研究所は御衣黄に加速器「リングサイクロトロン」から発生する重イオンビームを照射して突然変異を誘発し、新種を開発した。

Makuzu in Horror Month

二月は Women in Horror Monthということで、只野真葛(ただのまくず)を紹介する。 江戸時代に『赤蝦夷風説考』を著した仙台藩医工藤平助の一番上の娘で、名前はあや(綾、あや子とも)、作家で歌人である。 江戸で生まれ育ち、奥女中奉公を経験したのちに…

『HOME』とミモザ

HOME: Horror anthology 2021 拙作「マラカイト」の英訳が掲載された『HOME ホラー超短編アンソロジー』(Ghost Orchid Press)が届いた。オンデマンド印刷で国内からの発送。 表紙が燃え上がる寸前の金閣寺っぽい。(心を落ち着けて見れば民家) www.amazon…

牛鈕馬肉紅石印

清代の牛の鈕(ちゅう)の石印。石は寿山系の馬肉紅石。 青山杉雨旧蔵。東京国立博物館蔵。 牛鈕馬肉紅石印 17-19c. China

チョコラテ・ベルガ

少し前、都内の出版社を訪れたとき、今度出る『移動図書館の子供たち』に短文が載るんです、「チョコラテ・ベルガ」というタイトルで……と編集者に話すと、 「ちょうど、いただきものがあるんですが、召し上がります?」 とベルギーチョコレートを勧められた…

山茶花(さざんか)

八重咲きの山茶花。茶梅。葉の鋸歯(きょし。縁のぎざぎざ)がくっきりしている。 山茶花の花。

第百六十三回芥川賞・直木賞

高山羽根子さんにお招きされ、都内のホテルで開催された第百六十三回芥川龍之介賞、直木三十五賞の贈賞式に行った。感染症拡大を予防するため、人と人の間の距離をとった着席式で、食事を伴うパーティーはなし。授賞者との談話はアクリルのパネル越しだった。…

Participant Check-in の反省と思い出

今年のワールドコン、CoNZealand 事務局から Zoom ミーティングに参加して企画参加者のチェックインをしてくださいと連絡があり、複数の日程の中から近い日付の “Participant Check-in” を予約した。当日の一時間くらいまえから準備をしていたのに、始まって…

郁子(むべ)の花

歩いていて、木通(あけび)の蔓が伸びているのを見つけた。実はなるのかなと思いながら通りかかるたびに観察していたら、咲いた花が木通ではなかった。 調べたら郁子(むべ)の花だった。無病長寿の果実だ。