鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

男の人ってこういうのが好きなんでしょ?

先日、アメリカのアトランタでアジア系住民を狙った襲撃事件があり、八人が亡くなった。うち六人がアジア女性で、女性を軽んじ、アジア系を蔑ろにしていいと確信しての犯行なのは明らかだろう。COVID-19が流行してから、アメリカ合衆国ではアジア系へのヘイトクライム(Hate Crime 憎悪による犯罪)が増えているとの報道があるように、二月にはシアトルで日本人女性が路上で殴られて重傷を負っている。日本人もアジア系でひとまとめだ。そこに個性も人格もない。

英国の作家 Eliza Chanもアジア系を狙ったヘイトクライムに憤っている一人だ。多くの白人男性がアジア女性に抱く偏見にアジア系である彼女も傷つけられている。例えば通りすがりに見知らぬ白人男性に卑猥な言葉を投げかけられるのは「アジア女性は性的に消費するもの、往来でバカにするもの、しかも反抗しない」との正しくない思い込みがあるからだ。
Eliza Chan のホラー短編 "Knowing Your Type" には、出会い系サイトとかマッチングアプリでアジア女性とばかりデートしている白人男性が登場する。
……リチャードはマナミとデートをするが、マナミは子どもっぽい服装と振る舞いでカワイイものの英語が上達しない。主張をせずに家事に勤しむ女性を求めるリチャードだったが……という話だ。
アジア女性は従順、主張がないと思われているようだが、内面も人格もないと考えたほうが踏みにじるのに躊躇がないからでは。移民で現地語が不自由なだけで、母語でならいくらでも話せるし意見があるとは考えもしない。
マナミのカワイイはちぐはぐで不気味だが、あとの展開と考え合わせると納得できる。
web.archive.org

Eliza Chanは日本に三年住んでいたそうなので、日本女性が Kawaii に執着するのを不思議&不気味に感じていたのかもと想像する。
www.elizachan.co.uk