鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

己丑きちゅう

てのひら怪談 己丑』(ポプラ文庫)を手にとって眺めた。既読作ばかりのはずなのに、また新たな気持ちで読んだ。
巻末に加門七海氏の予祝ともいえる「己丑の託宣」、怪談への期待と温かいまなざしが注がれた福澤徹三氏の「もっと怖い怪談を」が収録されていてありがたい気持ちになったが、稲川淳二氏の「解説」は、収録作を丁寧に読んで下さっている上に、最初の一文を読んだとたん、稲川淳二の声と語り口で脳内で再生されてしまい、恐れ入った。さすが。
追記】解説は、ライターの門賀美央子さんが、稲川氏の語りおろしをまとめられたものだそうだ。語り口を生かしてまとめるその手腕に脱帽。改めて、「さすが!」
てのひら怪談 ビーケーワン怪談大賞傑作選 己丑の通販/加門 七海/福澤 徹三 ポプラ文庫 - 紙の本:honto本の通販ストア

今回も表紙には山下昇平氏の造形作品(ブンコちゃん)が使用されているが、本文の方に使われた写真にクダンちゃん(人頭牛身のキャラクター。一見可愛いけど、よく見ると怖い)が登場していて嬉しかった。(市松模様のニットのマフラーが写っている写真があったが、あれと同じか似たものを山下さんがよく首に巻いていた)