鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

挙人

趙之謙(ちょうしけん、一八二九年生、一八八四年没)は浙江紹興の人で、清代の書家。
東京国立博物館平成館一階の特集陳列「趙之謙とその時代 ─趙之謙生誕180年記念展─」で、壁に貼られた趙之謙略年譜を眺めていたら、兄が訴訟に敗れて家が破産したり(やがて兄は福建へ出奔)、太平天国の乱があったり、妻と幼い娘を亡くしたりといった趙之謙の波乱な人生に寄り添っているというか、人生を貫いているのが科挙の受験だった。
二十一歳、紹興の県試に合格、秀才となる。郷試を受験して落第。郷試を受験して合格、挙人となる。会試を受験するが、趙之謙の答案には試験官が判読できない古字が多かったため落第。会試を受験して落第。これで最後と四十三歳で会試を受験し落第……
しかし受験勉強に専念していたわけではなく、家族を養うためにを書画篆刻を売ったり、教師をしたり、幕客となったり、太平天国と戦ったり、金石や碑文を研究したり、多忙であった。