鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

妖怪奇譚Ⅱと本

東京、日本橋高島屋六階の美術画廊Xで開催中の『―妖怪奇譚Ⅱ― 金子富之展』を訪れた。
壁のほぼ一面を占める新作「炎の擁護者」が圧巻。龍のような異形の“炎の擁護者”が画面から存在感を示す。シベリアで起きたツングースカ大爆発がテーマの一作で、これから十年掛けて描くシリーズになるそうだ。

画像は北欧神話に登場する蛇神ヨルムンガンドに材をとった「世界蛇(せかいへび)」と金子富之氏。(本人の許可を得て、撮影掲載しています)
画廊なので金子富之作品は販売されており、飾る壁や収蔵庫の心配をしなくていい小品(雑誌サイズ)もあったが、売約済みの印があるものも多かった。
荒蝦夷の本も何冊か扱われており、hontoネットストアにもデータがない『みちのく怪談コンテスト傑作選 2010』(荒蝦夷)もあった。帯は山形在住の怪談作家黒木あるじ。もしかすると本展が東京では最も速く本書を手に入れられる場所なのではないだろうか。(拙作も一篇収録されているが、本は初めて見た)

金子さんに本を持ってもらって撮影した。
表紙に使われている和服の童子を描いた「小雨(こさめ)」、黒猫がこちらを見ている「祭文語りの猫」ともども実物が展示中。
五月十三日まで。