鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

ふるさと怪談トークライブ あとさき

三月八日(土曜日)に東京都墨田区のみどりコミュニティーセンターで、「ふるさと怪談トークライブ at 東京」が開催された。大勢の観覧者、各地のふるさと怪談イベントに関わったかたがたが来場し、たいへんな盛り上りだった。
東京出身の作家三人が、軽く雑談のように語った地元(東京の西のほう、武蔵野、東のほうの低い土地)の怪談がそれぞれで、東京の中の地方色が出ていた。
掉尾を飾ったのは、京極夏彦の朗読に森繁哉と松村知紗の舞踏という共同作品で、朗読される物語の内容と舞踏が響き合い、懐かしいような怖ろしい世界が立ち上がって来て、足下があやうい感じになった。
会場に行くまえに東京江戸博物館を訪れた。ちょうど開催中の特集陳列が「平成の大津波被害と博物館 ―被災資料の再生をめざして―」(三月二十三日まで。常設展示観覧料で観覧出来る)で、岩手県陸前高田市の博物館の被災資料(波に運ばれ、海水に漬けられた)がどのようにレスキューされたか(されているか)というもので、東日本大震災を機に始まった「ふるさと怪談」とは無縁でないと感じたからだ。
展示で興味を引かれたのが博物学者の鳥羽源藏で、高等教育を受けずに独学で研究を志し、尋常小学校の教師から台湾総督府の技手を経て岩手師範学校岩手大学の前身)の教授になった人物。以前、海と貝のミュージアム岩手県陸前高田市。休館中)に行ったとき、展示されている標本の多くが鳥羽源藏のもので、むかしも貝が好きな人がいたのだ……と思ったものだったが、博物学者なことは失念していた。

トークライブの会場で普段はご無沙汰している皆さまにお目にかかったが、失礼があったかも知れない。岡部えつさんに『生き直し』(双葉社)の感想を言えたこと、長島槇子さんに『パリの舌人形』(KADOKAWA 幽ブックス)にサインをいただけたのは良かった。

生き直し

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パリの舌人形 (幽ブックス)

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