鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

ドーナツ? ドーナツ!

フィンランドタンペレで、「フィンランドで一番おいしいドーナツ」を食べた。
ドーナツはフィンランド語でMunkki。Donitsiともいう。
タンペレの展望台のカフェの人気メニューだそうで、VR(フィンランド鉄道)タンペレ駅から歩いて三十分ほどの展望台を目指した。繁華街を過ぎて、公園を抜け、アパートや学校があるあたりを通り、道を間違えていないか不安になったころに、壁に大きくTORNI(塔) KAHVI(コーヒー)の文字を発見、安心して更に進む。
松林の中の坂道をずっと登っていく。松のあいだに赤い実を付けたナナカマド。松の茶色い幹の間から大きな水面がちらちらと見えて、岩手の海岸、具体的に言えば碁石海岸とか鵜の巣断崖を思い出す。しかしタンペレにあるのは海ではなく湖だ。
登り詰めたところに灯台を思わせる古びた展望台があり、そばの駐車場に車が何台も止まっていて観光客も多い。一階にカフェと展望台入り口、屋外のテーブルでみんなドーナツを食べている。建物の中に入ってカフェのカウンターで注文し、代金を払ってドーナツとコーヒーを受け取る。
ドーナツの見た目は揚げて砂糖をまぶしたシュガードーナツ。
触れるとまだ温かく、口にするとふわっと柔らかくて、もっちり、カルダモンの香りがした。発酵させたタネを揚げてあるらしい。お腹が空いていたこともあってあっという間にたいらげて、もう一個買って食べた。フィンランドで一番かはわからないが、タンペレで一番くらいにはおいしいドーナツだと思った。(数年まえに読んだ記事には、「ふつうのドーナツ。わざわざ行くまでもない」と書いてあった。)

展望台は小さな山の上にあってすぐ麓は住宅地、近所の人が犬の散歩に来ており、大型犬が多かった。