鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

東京の蜂蜜

 東京に桜の開花宣言が出たが、銀座のデパート(松屋銀座)の屋上に行ったら、花壇のように囲われた一隅でキャベツやキャベツと同じアブラナ科の植物が育てられていた。キャベツは結球しているからそうとわかったが、あとは何かわからなかった。大根の花か菜の花か。いずれにせよ花が咲いていて、何匹もの蜂が花から蜜を集めていた。銀座で養蜂するプロジェクトがあったことを思い出し、こんなふうにミツバチが集めた蜂蜜が、やがて「銀座の蜂蜜」になるのだと眺めた。羽音はとても静だった。
 東京の蜂蜜と言えば、ソメイヨシノの蜂蜜を試食で味わったことがある。桜の季節に皇居のお堀近くのビルの屋上に巣箱を置かせてもらって集めたものだそうで、スプーンで口に入れた瞬間、桜独特の香り(クマリンと思う)が鼻に抜けた。花の種類で蜂蜜の味や香りが異なることは知っていたが、こんなに主張する蜂蜜は初めてだった。話の種にはいいが、牛乳に入れたりトーストにかけたりといった普段使いには香りが強すぎる気がしたものだった。