大阪市の中之島を肥後橋あたりから歩き始め、緑道を東へ向かう。木陰があって、川から風が吹いて涼しい。途中で大阪市立中之島図書館、明治時代に建てられた立派な西洋建築を見て、北野勇作の文章によく出てくるあれがこれかと思う。東洋陶磁美術館、バラ園入り口で引き返して梅田へ進路を取る。
途中に水晶橋という素敵な名前の橋があったので渡る。適当に歩いていると、古いけれど現役らしいビルがあった。それを見て、仲町六絵の「水晶橋ビルヂング」を想起した。大阪にある、大正時代に建てられた法律事務所がいくつも入った四階建て。
……外壁に貼られたタイルには、『水晶橋ビルヂング』というビル名が、昔風に右から左に向かって書かれていた。
そのビルも建物正面上部、五階の窓の上あるビル名がグンヂルビ江大と右から左に向かっていた。(一階正面入り口の上の表記は、左から右に大江ビルヂング)
こちらは五階建て。
「水晶橋ビルヂング」は「鳥の家」とともに『てのひら怪談 庚寅』(ポプラ文庫)所収。(同書には拙作「NOU―能生―」「うざね」も。)
- 作者: 加門七海,東雅夫,福澤徹三
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/06/04
- メディア: 文庫
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