鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

二枚の汝窯青磁盤

来年二月二六日まで東京国立博物館の東洋館で上海博物館の名品を特集で展示中。ところで、東京国立博物館をトーハクと呼ぶように、上海博物館はシャンポーと呼ぶのだそうだ。
この特集で北宋汝窯青磁のよく似た二枚の皿――縁がやや高くなっているので青磁盤と呼ぶべきなのだろうがなんとなく皿と呼びたい――が展示されている。展示期間はいつまでかわからないが、一枚はシャンポー、一枚はトーハクのものだ。後者は香取國臣氏・芳子氏から寄贈されたもので、一時は川端康成が所有しており、汝窯と知らずにいた美術商から川端が安く買ったというにわかには信じがたい来歴がある。
シャンポーのほうは見込みの貫入の一部に灰色のシミがあり、実際に使われていたのではと推測されている。そのシミを見ると、殻にひびを入れたゆで玉子をお茶の葉と醤油で煮込んで作る茶葉蛋をごろごろと盛ったのではと思ってしまう。たぶん貫入と茶葉蛋の白身の模様が似ているための連想。

茶葉蛋。