鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

羅浮香夢図

 東京国立博物館の東洋館第8室(中国絵画)で特集陳列「梅花」をやっている(三月一日まで)。
梅花を描いた作品をまとめて展示しているが、その中に兪明の「羅浮香夢図」(個人蔵)がある。上弦の月の下、満開の白梅の大木の根本に座り、上半身を幹に預けて眠る若い男が描かれている。羅浮山に遊んだ男が好い香りがする美しい女と出会い、酒を飲んで語り合ううちに眠ってしまい、目覚めると梅の木の下で、昨夜の美女は梅の化身であったかと悟る……という故事を題材にしており、清末か民国初期に描かれたものだが構図や色遣いがどことなく西洋絵画風でモダーン。美術史的に価値があるかは知らないが、気に入っている。
同じ特集陳列で展示されている金農の「紅梅図」も好きだ。

博物館本館裏にある庭園は現在は開放されていないが、庭園出入り口近くに紅梅の大木があり、濃い桃色の花を咲かせていた。メジロが来て梅の枝に留まっていた。