鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2021-01-01から1年間の記事一覧

Antipodean SF issue 277

豪州のオンラインマガジン AntipodeanSF issue 277 に拙作「もう一度ビーチで遊びたい」の英訳 "Once again on the beach"(translated by Toshiya Kamei)が掲載されました。 死にかけると良い夢が見られるアプリを入れた主人公が、愛犬ロビンと美しいビーチ…

汝窯と古伊万里

汝窯と古伊万里 勝山海百合 去年の暮れ、中之島の大阪市立東洋陶磁美術館で汝窯の水仙盆をじっくり眺めた帰り、なにわ橋駅の券売機前に戸惑う様子の男性がいたので声をかけた。灰色のギャバジンのコートを着た三十歳くらいの人で、聞けば堂島に行きたいとの…

小説すばる 十月号

小説すばる十月号(二〇二一年)『小説すばる』十月号(集英社)の 見本誌をいただきました。 千字一話のページに Toshiya Kamei の"Dragon in Flight" の拙訳「黎明の龍」が掲載されております。 syousetsu-subaru.shueisha.co.jp

『オベリスクの門』解説公開

N・K・ジェミシン『オベリスクの門』の解説全文がwebミステリーズ!で公開されました。 www.webmysteries.jp 『オベリスクの門』は『第五の季節』の続編です。 www.tsogen.co.jpwww.tsogen.co.jp

Rhodora Magazine issue 3

インドはチェンナイのデジタル文芸誌 Rhodora Magazine issue 3 に拙作「麗娘のキノコ」の英訳 "A Girl's mushrooms" (translated by Toshiya Kamei)が掲載されました。 https://rhodoramagazine.in/ 「麗娘のキノコ」は 拙著『十七歳の湯夫人』(MF文庫ダヴ…

『オベリスクの門』解説

N・K・ジェミシンの『第五の季節』の続編、『オベリスクの門 』"The Obelisk Gate" by N.K.Jemisin(小野田和子訳、創元SF文庫)に解説を書きました。九月十日発売予定、装画はK.Kanehiraです。 www.tsogen.co.jp 解説では触れなかったし本文中でもその…

AntipodeanSF issue 276

豪州のオンラインSF誌 AntipodeanSF issue 276に拙作「東京のエッフェル塔」の英訳 "Love, Tokyo style" (translated by Toshiya Kamei)が掲載されました。(アーカイブされました) 大学の先輩の部屋に遊びに行ったら、練習で作った花びら餅(正月に食べ…

てのひらのうた 超短編アンソロジー

紅坂紫編『てのひらのうた: 超短編小説アンソロジー』Kindle版が発売になりました。拙作、拙訳(Toshiya Kamei のDrabbleの翻訳)を寄稿しております。カバーイラストは佳嶋。 https://www.amazon.co.jp/dp/B09BK1SMTK/ref=cm_sw_r_tw_dp_5M50ZDYYRJKD7J9C0T…

SFマガジン十月号「年年有魚」

『S-Fマガジン』十月号(早川書房)の見本誌をいただきました。 S・チョウイー・ルウ S. Qiouyi Lu の "An Abundance of Fish" の拙訳「年年有魚」が掲載されております。イラストは佳嶋。原文初出はUncanny Magazineです。 www.hayakawa-online.co.jp 「年…

SF60での書籍取り扱い 

第六十回日本SF大会(SF60)が八月二十一、二十二日に開催されます。会場は香川県高松市のサンポートホール高松です。 会場に出店する地元の書店さんで、『勝山海百合現代語訳 只野真葛の奥州ばなし』(荒蝦夷)と二十一日に出たばかりの『幻想と怪奇…

SFマガジン十月号【予告】

『SFマガジン』十月号(早川書房)にS・チョウイー・ルウの掌編の拙訳「年年有魚」が掲載されます。八月二十五日発売予定です。 吉語の「年年有余」(毎年毎年余裕があるという意味)は、余と魚が同音なので、縁起を担いで大晦日に魚を食べるという中国の…

幻想と怪奇7【見本】

『幻想と怪奇7』とドーナツ『幻想と怪奇7 ウィアード・テールズ 恐怖と冒険の王国』(新紀元社)の見本をいただきました。(装画はひらいたかこ) S・チョウイー・ルウの掌編「稲妻マリー」("The Shapeshifter Unraveled" by S.Qiouyi Lu, translated by …

イベントでの行動規範

アメリカ合衆国ロサンゼルスで行われるSFのローカル・コンベンションLOSCONは今年で四十七回目。ロサンゼルス国際空港(LAX)隣接のLAXマリオットホテルを会場に、今年の十一月二十六日(金)から二十八日(日)の三日間開催される。十六歳以上の参加者はC…

The Birdseed vol.1

アメリカ、カリフォルニアの百五十ワード以下の超短編の雑誌 The Birdseed vol.1 に、拙作「ヒッチハイカーズ」の英訳 "Hicthhikers" (translated by Toshiya Kamei) が掲載されました。 the-birdseed.com

レイヴンの奸計

ユーン・ハ・リーの『レイヴンの奸計』(赤尾秀子訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。『ナインフォックスの逆襲』続編。www.tsogen.co.jp

てのひらのうた(予約開始)

紅坂紫編『てのひらのうた:超短編小説アンソロジー』 Kindle版の予約が始まりました。超短編とトシヤ・カメイ Toshiya Kamei のDrabbleの拙訳を寄稿しております。八月三十一日発売予定です。(表紙は佳嶋) https://www.amazon.co.jp/dp/B09BK1SMTK/ref=cm…

第五回仙台短編文学賞作品募集中

第五回仙台短編文学賞が、七月一日から応募を受け付けています。募集しているのは仙台、宮城、東北に関わる短編小説で、四百字詰原稿用紙で二十五枚から三十五枚。締め切りは十一月十五日(当日消印有効)です。 第五回の選考委員は玄侑宗久さんです。 応募…

GREEN INFERNO vol.1

GREEN INFERNO vol.1アメリカ、ポートランドのTENEBROUS PRESS から、ホラーのアンソロジーGREEN INFERNO vol.1の見本誌が届きました。英訳された掌編 "The Guardian on New Year's Eve"(translated by Toshiya Kamei) が掲載されております。 通信販売もし…

不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選

J・J・アダムズ編『不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選』(佐田千織 他訳、創元SF文庫)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 オリジナルの二十三作から、厳選された十六作を収録。www.tsogen.co.jp

『幻想と怪奇7』予約受付中

S・チョウイー・ルウ(S.Qiouyi Lu / 陸秋逸)の拙訳「稲妻マリー」が掲載される『幻想と怪奇7 ウィアード・テールズ 恐怖と冒険の王国』(新紀元社)は、八月二十一日刊行予定です。 www.shinkigensha.co.jp

Collective Realms 休刊

アメリカのファンタジーとSFの雑誌 Collective Realms vol.7 に拙作の英訳が掲載されるとお知らせしましたが、Collective Realms は休刊となりました。(電子書籍の見本誌は受け取りました)(追記。公式サイトも消えました。) https://www.lazyadventurerp…

The Price of Greed / 強欲の代償

強欲の代償 Toshiya Kamei 勝山海百合訳 トルコ石が額で緑色に輝く。針の如き牙の後ろから三叉の舌がちらちらと覗いている。おれはシャムシールの柄を握りしめ、歯を食いしばる。その鱗に覆われた体の後ろには宝箱がある。半開きの蓋からはきらめく宝石がこ…

夕暮れの草の冠

西崎憲編『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』(柏書房)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 『特別ではない一日』『移動図書館の子供たち』に続く、kaze no tanbun シリーズ第三弾。十七人の文章家による十八の短文が収められている。 www.kashiwash…

SFマガジン八月号

『S-Fマガジン』八月号(早川書房)の「ハヤカワ文庫JA総解説 PART1」に解説を寄稿してます。 www.hayakawa-online.co.jp

猫の街から世界を夢見る

キジ・ジョンスンの『猫の街から世界を夢見る』(創元SF文庫、三角和代訳)をご恵送いただいた。ありがとうございます。 世界幻想文学大賞受賞作。 www.tsogen.co.jp

驢の教え

驢の教え 勝山海百合(こちらです) その家の数えで十二になる娘が病臥している薄暗い部屋に人の気配が近付いた。娘は肉の落ちた土色の顔で、老婆のようにも見えたが、自分に取り憑き重くのし掛かっている何かが、気もそぞろに離れたがっているのがわかった…

Green Inferno, 来たる

ホラーの小説とマンガの国際的なアンソロジーGreen Infernoが アメリカのTENEBROUS PRESS から七月に世に出ます。勝山は掌編 (translated by Toshiya Kamei )で参加しております。 Kick Starterでご支援いただいた方にはすでに電書が届いていると思われます…

小説すばる七月号

十七日発売の『小説すばる』七月号(集英社、二〇二一年)のコラム「私的偉人伝」に、「仙台の真葛、日本のメアリー・シェリー」を寄稿しました。 江戸時代の作家で歌人、真葛について書いております。工藤平助の娘で只野伊賀の妻あやです。江戸で生まれ育ち…

Peach Girl and Other Stories, coming soon

友人の作家で翻訳家の Toshiya Kamei の最初の作品集 Peach Girl and Other Stories が電子書籍で上梓されます。英語です。 表紙は大谷津竜介(cover art by Ryusuke Ohyatsu)。 詳しいことは追ってお知らせします。 Peach Girl and Other Stories

Sucked in / 吸い込まれて

吸い込まれて Toshiya Kamei 勝山海百合訳 シートベルトを外すと膀胱が爆発寸前になっていた。おれは緊急事態ですと呟きながらトイレまで遊泳していく。逆さまになって浮遊しているとファンが唸りをあげる。バキュームチューブがおれの排出液を吸引する。こ…