鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

生活

私たちは、忘れない。

先日献血をしたら、職員のかたに「よろしければ、バッヂを差し上げています」と言われたので、ありがたくいただいた。 冊子によると、児童生徒を自然災害から守るための日本赤十字社の防災教育プログラム「まもるいのち ひろめるぼうさい」は、二〇一一年三…

第十回『幽』文学賞、第七回『幽』怪談実話コンテスト贈賞式

一月二十七日、都内のKADOKAWA富士見ビルで開催された第十回『幽』文学賞(旧『幽』怪談文学賞)、第七回『幽』怪談実話コンテスト贈賞式に参加した。 第十回『幽』文学賞短篇部門大賞は篠たまき氏の「やみ窓」(長篇部門は大賞該当作なし)、第七回…

ドント・ブリーズ

フェデ・アルバレス監督の『ドント・ブリーズ』DON'T BREATHE を、現代デトロイトを舞台にした怖い映画くらいの認識で観に行ったら、スーパーナチュラルの要素のあるホラーではなく、スリラーだった。 先年の同じ時期に観た『イット・フォローズ』(デヴィッ…

真葛菊(まくずぎく)

愛知県大府市に行った。おおぶ文化交流の杜図書館で、地元にお住まいで『江戸女流文学の発見 光ある身こそくるしき思ひなれ』『江馬細香 化政期の女流詩人』『わが真葛物語 江戸の女流思索者探訪』など、江戸の女性作家についての著作がある作家の門玲子氏の…

二枚の汝窯青磁盤

来年二月二六日まで東京国立博物館の東洋館で上海博物館の名品を特集で展示中。ところで、東京国立博物館をトーハクと呼ぶように、上海博物館はシャンポーと呼ぶのだそうだ。 この特集で北宋汝窯青磁のよく似た二枚の皿――縁がやや高くなっているので青磁盤と…

クリスマスソング初観測

十一月一日の午前、ヨドバシカメラの店内にワム!の『ラスト・クリスマス』が流れていた。本年のクリスマスソング初観測。 そのときの気持ちを表明させてもらえば、「まだ早い」であった。いつが適当かはわからないが、十一月一日では早過ぎるのは確かだ。 …

第二十六回鮎川哲也賞 第十三回ミステリーズ!新人賞贈呈式

十月二十八日、都内で開催された第二十六回鮎川哲也賞 第十三回ミステリーズ!新人賞贈呈式に出席した。 鮎川哲也賞は『ジェリーフィッシュは凍らない』で授賞された市川憂人氏。おめでとうございます。(今回のミステリーズ!新人賞は授賞作なし) 贈呈式で…

汝窯青瓷無紋水仙盆

画像は台北の國立故宮博物院のミュージアムショップで買った小さな水仙盆。てのひらに乗るサイズのやきもの。 ラベルには「北宋汝窯青瓷無紋水仙盆」(青瓷は青磁のこと)とある。いくつかある汝窯水仙盆の中でも最優品と言われる貫入(釉薬に入った細かいひ…

コッペパン(あん・バター)

コッペパンで有名な福田パン(岩手県盛岡市)をもらった。福田パンの売店ではなく、スーパーマーケットで売っていたものだけどと恐縮されながら。個包装された、いわゆる袋パン。 ありがたくいただいたが、 「福田パンのおいしさって、袋に入れたら二十%く…

麻疹と猫

仙台市内の書店で行われた怪談会で、最後に司会者が「ご来場のお客さまにも、実はこんな不思議な話をもっている、という方がいらっしゃるのではないでしょうか」と水を向けたところ、挙手して語り始めた少年がいた。「僕が三歳か四歳のころのことなんですけ…

イカとゴジラ

ずっと Suicide Squid 「自殺烏賊」だと思っていた。風変わりなタイトルだけれど、きっと意味があるのだろうと深く追求しなかった。ある種の烏賊は条件が整えば自殺する習性があり、それが物語に絡んでくるとか、そういうなにかがあるのだろうと。 なので、…

第7回創元SF短編賞贈呈式

七月二十九日に都内で開催された第七回創元SF短編賞贈呈式に出席した。 画像は東京創元社社長の長谷川晋一氏(向かって右)より賞状を贈呈される正賞授賞者の石川宗生(いしかわむねお)氏。背中を向けているのは、選考委員の一人の日下三蔵氏。 石川さん…

コマイぬよみ芝居「あの日からのみちのく怪談」

七月三十日に蔵しっくパーク(ひと・まち交流館)で行われたいしのまき演劇祭2016のコマイぬよみ芝居「あの日からのみちのく怪談」はたいへん面白かった。 文字で読んで知っていた怪談が、立体的になって目の前に差し出されるのだ。彩色され、膨らみと息吹の…

フラワーパン

盛岡市のシライシパン(白石食品工業)のフラワーパン。 丸いパンの真ん中が窪んでいて、そこにピーナッツクリームが入っている。パンの形が赤ん坊を座らせておく、えんつこ(えじこ)に似ているので家庭内ではえんつこパンと呼び慣わされていた。 桑田碧海…

いせしまこんのおみやげ

いせしまこんで中華圏SF企画部屋に入って、畳の上の座布団に座ったら、司会で通訳の立原透耶さんに呼ばれて前に出た。ポストカードを渡され、「ここに印刷された文章を読んで下さい」と言われて、読んだ。中国のファンタジー作家、程婧波さんの『夢喰い 少…

幽霊退治

すこしまえにアレックス・ガーランド監督の『エクス・マキナ』を観に行った。 本編上映まえに『ゴーストバスターズ』(ポール・フェイグ監督。一九八四年公開のアイヴァン・ライトマン監督の同名映画のリブート作)の予告編が流れたので、もうすぐ(アメリカ…

開陽白菜

『蒋公獅子頭』で材料も調理手順も簡素なのは、開陽白菜ではないだろうか。 材料は、白菜半個、乾し蝦大さじ二、塩小さじ一、水大さじ四。 分量外の少量のお湯で戻した蝦と、切った白菜を炒め、水を加えて煮て、沸騰したら弱火で十五〜二十分、塩を入れて味…

世界同時開催中

目に付いただけで、現在、世界の三カ所で兵馬俑展が行われている。 日本の九州国立博物館で特別展「始皇帝と大兵馬俑」が六月十二日まで開催中。 三月からはアメリカ合衆国シカゴのフィールド自然史博物館で CHINA'S FIRST EMPEROR -AND HIS- TERACOTTA WARR…

漁師の日

三月の金曜日。電車に乗っていたら、乗り合わせた人が「松方弘樹、いま入院しているのよね。虎ノ門病院に」と話しているのが聞こえた。そうなのか、と思いながら新橋駅で下りて、赤坂一丁目の日本財団ビルを目指した。東京国際文芸フェスティバルのプログラ…

大理石か青磁か

自家製茶葉蛋、最後の一つ。チャイを作るときのスパイス(肉桂、カルダモン、丁字)で作ったことにあとで気付いた。 まえに読んだ料理の本には、出来上がった茶葉蛋は「白身に模様がついて大理石のようになります」と書いてあったので、理想の、もしくは一般…

うちの茶葉蛋

たまごの紅茶煮(茶葉蛋)を作りたくなって、八角はなかったがゆでたまごを作った。 ゆでたまごの殻を皿に軽く押し付けてひびを入れてからホーロー鍋に入れ、水を注す。 だしパックにセイロン紅茶・シナモンスティック・カルダモン・クローブを収めたものを…

イット・フォローズ

先日観たデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の『イット・フォローズ』は、デトロイト郊外を舞台に、若い女性ジェイ(マイカ・モンロー)が姿を変えながらじわじわと歩いて追いかけてくる怪異に命を脅かされ、恐怖し、消耗するホラー映画だった。 正体のわ…

イーディス、アリス、なつ

『クリムゾン・ピーク』(ギレルモ・デル・トロ監督)の主人公イーディス・カッシング(ミア・ワシコウスカ)は小説家志望の若い女性。父親の伝手で編集者に原稿を読んでもらうが、編集者には「幽霊譚などではなく、ロマンス小説を書いたほうがいい」と冷た…

リザとキツネとクリムゾン・ピーク

『リザとキツネと恋する死者たち』(ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督)はおもしろかった。人間に災いをなすスーパーナチュラルな存在が活躍するタイプのホラー映画。公式サイトにはジャポネスク・ファンタジーとあった。 1970年代のブダペスト。元…

二〇一六年丙申

来る二〇一六年は丙申(へいしん・かのえさる) 画像は新春支度をした川崎大師の五重塔。

りん・りん

今年の苦い失敗は、とっさに輪唱という言葉が出てこなかったので、「静かな湖畔の森の影から……」と歌ったら輪唱と言いたいのは伝わったものの、知り合いの小説家に「作家のくせに」と呆れられ、「りんぱ(琳派)ってなんですか?」と聞かれたときに尾形光琳…

そんなわけない

映画館の上映時間割が貼り出されているのを見ていた女性グループの一人が、『母と暮せば』(山田洋次監督)を指さして、「これ、どんな話?」と聞いた。 一人がすぐに端的に答える。 「死んだ息子が出てくんのよ」 「えっ! そんなわけないでしょ」いえ、ま…

音楽映画ベストテン

ワッシュさんの「音楽映画ベストテン」に参加しようとしたら締切が過ぎていた。せっかくなので書いておく。 http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20151031 1.ミス・ジーンズ・フィンランド(マッティ・キンヌネン 2012年) 2.ムトゥ 踊るマハラジャ…

水曜日のネコ

水曜日ではなかったけれど、ベルジャンホワイトエール「水曜日のネコ」を飲んだ。ちょっとだけ苦い。

第五回アガサ・クリスティー賞、第三回ハヤカワSFコンテスト贈賞式

十一月十九日、都内で開催された第五回アガサ・クリスティー賞、第三回ハヤカワSFコンテスト贈賞式・祝賀会に出席した。 アガサ・クリスティー賞を「うそつき、うそつき」で授賞された清水杜氏彦(しみずとしひこ)さん、ハヤカワSFコンテスト大賞を「ユ…