鳥語花香録

Umiyuri Katsuyama's weblog

2009-01-01から1年間の記事一覧

水無月朔日更衣

今月五日発売の『てのひら怪談 己丑 ビーケーワン怪談大賞傑作選』(ポプラ文庫)に拙作が掲載されます。 てのひら怪談 ビーケーワン怪談大賞傑作選 己丑の通販/加門 七海/福澤 徹三 ポプラ文庫 - 紙の本:honto本の通販ストア そして、ビーケーワン怪談大賞…

マダム・タン色校

『十七歳の湯夫人【マダム・タン】』カバーの色校(実際にカラー印刷してみたもの)が届いたので、切って折って、着せてみました。 実際のカバーは光沢があるものとなります。

水稲、葉タバコ、ホップ

次号『幽』の特集は「怪談遠野物語」で、遠野物語にちなんだ掌編の依頼があったからというわけではないが、先日、岩手県遠野市に行ってきた。 遠野の中心を流れる猿ヶ石川の両岸に広がる水田は田植えの最中で、植えられたばかりの早苗が水に浸かって頼りなげ…

ちょっとだけよ

これをお知らせと言っていいのかわかりませんが、『十七歳の湯夫人【マダム・タン】』の、カバーの一部をはっきりしない画像(モニタの画像を携帯電話のカメラで撮影)で掲載します。 まだ表紙デザインが本決まりしていないので、問題のないあたりということ…

マダム・タン

新刊のお知らせ。 拙著『十七歳の湯夫人【マダム・タン】』(MF文庫ダ・ヴィンチ)が六月二十五日発売予定です。タイトルの湯夫人は【マダム・タン】とよんで下さい。同題の収録作中では【とう・ふじん】ですが。 解説は南條竹則さん、表紙イラストはコザ…

不時着

朝から晴れた。人と会う用事があったので文学フリマに行く。会場は京急蒲田駅前の大田区産業プラザPiO 大展示ホール。 文学フリマには行く予定ではなかったため、事前に下調べをしていなかったが、『フランス書院美少女文庫総解説2009』と『死後の恋』は…

虹と雷鳴

八日の朝は雷雨だった。昼間はときどき晴れ間もあり、夕方六時頃には虹が出た。しかも二重で、思わず携帯電話のカメラを向けてしまった。 この頃(午後六時から)、なだ万ホテルニューオータニ店で、第十六回日本ホラー小説大賞の選考会が始まっていたはず。…

いつわりのパリ娘

先日SFセミナー2009に行ったときのこと。一年ぶりで会ったライターのOさんに、「『竜岩石とただならぬ娘』、読んだよ」と言われる。去年は、そのうち本が出るかも知れないけど詳細は未定としか言っていなかったのに、ちゃんと覚えいて、読んでもらえ…

漢籍バイヤー

去年出た『幽』9号に書いたエッセイ、拙文を要約すると「近世の怪談には幾つかの型がある、その型の一つの源流は『源氏物語』にある。もっとさかのぼれるかもしれないがここでは触れない」というものだったが、先日、『怪談文芸ハンドブック』を読んでいた…

六月刊行

六月上旬に刊行される『てのひら怪談 己丑』(ポプラ文庫)に、拙作が掲載されます。 『てのひら怪談 己丑』は解説が稲川淳二さん、加門七海さんがサブタイトルであり今年の干支の「己丑(つちのとうし・きちゅう)」を解説する文章を寄せてらっしゃるそうで…

桜のくす玉

八重咲きの桜が満開で、あまり綺麗で愉しそうなので一枚。 一つ一つの花に花びらが多くて厚みがあるうえに、固まって咲いているのでポンポンやくす玉みたいになっている。 冬枯れの時分は、枝が肋骨っぽくてちょっと怖い。

怪談文芸ハンドブック

東雅夫様より御恵送いただく。ありがとうございます。 『怪談文芸ハンドブック 愉しく読む、書く、蒐める』(メディアファクトリー・幽ブックス) オンライン書店bk1で五月十一日までに購入すると、特典があります。 怪談文芸ハンドブック 愉しく読む、書…

未明の怪談

二十五日深夜というか二十六日未明に放送した「しょこリータ」最終回を視聴した。過日に収録を観覧した「ホラリータナイト」の後半。 かなり長時間収録していたので放送しきれるかと心配していたら、決勝をカットしていた。中途半端に語りを小間切れにして放…

東京の蜂蜜

東京に桜の開花宣言が出たが、銀座のデパート(松屋銀座)の屋上に行ったら、花壇のように囲われた一隅でキャベツやキャベツと同じアブラナ科の植物が育てられていた。キャベツは結球しているからそうとわかったが、あとは何かわからなかった。大根の花か菜…

蜀は終わらず

上海の地下鉄2号線に乗ったら、車内のつり革すべてに同じ広告が付いていた。 ”蜀来 蜀去” 蜀不完 (蜀来たり、蜀去る。 蜀は終わらず) 中国語がわからない日本人にも意味が推測しやすいコピーで印象に残った。蜀菜、つまり四川料理の宣伝だったので、上海…

ホラリータ

テレビ東京の「しょこリータ」の、”最恐の怪談師を決める決定戦ホラリータナイト”の公開収録を観覧してきた。 選ばれし十人がステージの高座にあがって怪談を語り、観客の投票によって決定した上位四人で決勝戦。もう一度怪談が語られたあとで投票が行われ優…

覚え書き(ポメラ)

文章を書くだけならノートパソコンは重いと感じていたので、キングジムのデジタルメモ「ポメラ Pomera」は良いのではないかと思い、店頭で触ってみて、納得して購入した。買ったものの、取扱説明書を読んだだけで放置していたが、何気なくスイッチを入れて書…

青衣の女人

「など我が名を読み給わぬぞ」 時は鎌倉、承久年間。東大寺の修二会で集慶(じゅうけい)という僧が過去帳を読み上げているとき、青い衣装をまとった女性が現れて、恨みがましく「どうしてわたしの名前を読みのがしたのですか」と言った。名前など知る由もな…

五香豆

中国は上海の名物に五香豆がある。丸のままの蚕豆(ソラマメ)のスナックで、味が付いていて噛み応えがある。 パッケージには賞味期限は未開封で二七〇天(二百七十日)、保存は「避熱防潮」と記してあり、去年上海に行ったときに買ってきて、常温で保存して…

怪談列島ニッポン

『怪談列島ニッポン 書き下ろし諸国奇談競作集』(MF文庫ダ・ヴィンチ)が発売になりました。 拙作「熊のほうがおっかない」が収録されています。 発売予定は二十五日なのですが、さっき、書店で南條竹則の『中華美味紀行』を買って、なにげなく新刊の棚を…

カカオビーンズ

デパートでフランスのチョコレートを試食したら、口の中でなめらかに溶け、甘さは少なく苦さは深く、変な渋さがなくて美味しかった。店員さんにそう言ったら、近くにいたフランス人とおぼしき男性にフランス語で話しかけて、「この人が作ったんですよ」と紹…

羅浮香夢図

東京国立博物館の東洋館第8室(中国絵画)で特集陳列「梅花」をやっている(三月一日まで)。 梅花を描いた作品をまとめて展示しているが、その中に兪明の「羅浮香夢図」(個人蔵)がある。上弦の月の下、満開の白梅の大木の根本に座り、上半身を幹に預けて…

生姜と冬

冬は寒いと決まっているが去年はことさら寒い気がしていた。 ある日、うどんにおろし生姜を入れて食べたら、食後しばらくしてから体がポカポカしてきて汗をかいたので、生姜が体を温めるというのは本当だと実感し、普段から生姜を摂るようにした。お茶に入れ…

史上最小

東雅夫 編『リトル・リトル・クトゥルー 史上最小の神話小説集』(学研)が発売になりました。クトゥルー神話をテーマにした八百字の掌編集です。書店の店頭でもぼちぼち見かけるようになりました。 拙作「水の歓び」が掲載されているため見本誌が届きました…

冬の土用

十七日から冬の土用入りし、二十日は丑の日。二〇〇六年に書いたてのひら怪談が土用の丑の話だったとことを思い出して引っ張り出したら、秋の土用だった。微妙に季節が違うが公開する。 (最初は他の題だったが、友人がつけてくれた題を採用した) ひどいよ…

ファン交一月例会

渋谷で行われたSFファン交流会一月例会に参加する。今回のテーマは「二○○八年SF回顧(国内編)」、ゲストは森下一仁と日下三蔵の予定だったが、日下氏は風邪でダウンし、代わりに山岸真と大森望が来場。 去年は長編の大作が多く上梓され、他の年に出たな…

年をまたぐ

去年の暮れに古書で二千円で購入した国立科学博物館の特別展の図録、こないだ科博に行ったらミュージアムショップで定価(五百円)で売られていた。 トム・ロブ・スミスの『チャイルド44』(新潮文庫)の上巻を読みかけだったが、暮れから見あたらない。も…

城を造る

フレッシュネスバーガーに置いてある木製のマドラーには、無地のものと何か英文が焼き印されているものがある。 たぶん一昨年だったと思うが、たまたま指が触れたマドラーに Start writing a novel. と書いてあって、小説を書いたことのない誰かがこの一文に…

年頭

二〇〇九年もよろしくお願いします。 野望は拙作が『科幻世界』(中国のSF専門誌)に掲載されることです。以前『ダ・ヴィンチ』の横里編集長に話したら、無言で優しく微笑まれたものでした。 目標は締め切りに遅れないです。

影響を受けた人

『幽』怪談文学賞の授賞式の挨拶で「書くにあたって心の中でお手本にしたのは魯迅の『故郷』と中島敦の『山月記』でした」と話したが、どのあたりをお手本にしたかというと、志怪風小説を書くとき、登場人物が華人だったら、地の文では姓名を記す(例、陶納…